[ 0031 ] なるべく本当のことを知りたい

2003年8月28日 イラク戦争開戦の年、暑さも和らいできた東京にて

イラク戦争開戦の年。目の前で次々起こる事態に息をのんでいますが、かつて教えをいただいた広河隆一さんは「ジャーナリストは権力の監視者である」と言いました。
監視するものなくして、権力が権力を振るうことを阻止できない。なぜなら、お金やパワーを持っているものが、ひとたび何かを隠そう(あるいはあんまり公にしないでおこう)とすると、それはいとも簡単に実現できてしまうからです。
もっと簡単に言えば、「もしそのことを知っていたら、そんな風には考えなかったな」「そんな選択はしなかったよ」という類いのこと...そういった数々の「知らされなかったこと」は、確実に私たちの選択を変えてゆくというのです。
「知らない」「知らせない」ことをいいことに、時の権力がひたすら拡大してゆくならば、民主主義...ひいてはわたしたちが権利を保証されている「生きること」そのものが、いちじるしく制限されてしまう。それは本当に最近の歴史、そして目下の事態を見ても明らかです。
 「時の権力の側では、今何が起こっているのか」「私たちには何が知らされ、何が知らされていないのか」。
そのことを伝えるために、ジャーナリストたちががんばっている。だからわたしたちの側も、ジャーナリストが何を伝えようとしてるのか、興味をもって見守る価値があると、私は思います。
 ちなみに、私が実行しているジャーナリストの見きわめ方(いいえ、ジャーナリストだけではなく、世の中の見方)はこんな感じです。大体の方が、もしかしたら一緒ではないでしょうか。
 1)一次情報の確保先を決めます:
一次情報とは、メディアからの情報ではなく、自分で見てきた・聞いてきた情報のこと。この場合私は、自分の知っている人が実際に見てきた情報も含めています。
 2)一次情報を自分にもたらしてくれる相手を探します:
今は講演会・報告会などで、ジャーナリストの方に実際にお目にかかれる機会も多いはず。特にイラクの報告会は、数多く開かれました。「知りたいな」「興味がある」と思ったら、とりあえず行ってみることにしています。
この時、話の内容を聞くと同時に、話し方・内容・身のこなしなどを観察して、自分はその人の言うことを信じられるのか、実際に見て、自分の感覚で判断します。
 3)著作を何冊か読んでみて、どのような姿勢で仕事をしているか見ます:
派手にアピールされた仕事をなさっている方もいらっしゃれば、地道に報道をなさっている方もいます。どちらがいいという問題ではなく、自分が信用できると思う人を見極めます。
 4)自分が「この人」と思った方の仕事を通じて、世界情勢を観察してみます:
今までとは違った世界が見えてくるはず。
今は、メディアに載らない情報でも、メルマガ、HPなどで知ることができます。むしろ、メディアに載せられないような一次情報から、真実が垣間見える場合が多い気がします。
 5)基本的に、メディアの報道は鵜呑みにしないことにしています:
マスコミに足のつま先ぐらいを置いているので、情報がどのようにつくられていくか、多少身をもって知っています。まずは鵜呑みにせず「本当なの?」と問いかけることからはじめています。

イラクの国連事務所の爆破、パレスチナ・イスラエルの事実上の停戦放棄...。世界は一体どこへ向かうのでしょう。かの広河隆一さんからは「パレスチナに入る」というメールがまわってきました。テレビ報道で知る、世界の裏側の紛争地帯。そこではジャーナリストたちが自分の目を見開いて、真実が何であるかを見極めようとしています。
 私も彼らの目を通じて、微力ですが共に世界を見ています。

[0032] 麻を喰ふ

2003年8月28日 夏も来ぬまま、8月も終わり

秘密の会合があったのです。その折の会場が、下北沢にある「レストラン麻」。名前の通りここでは、料理にことごとく「麻」が使われています。
 麻というと「麻布」の上品なイメージと「大麻」のダークなイメージの両方を持ち合わせる、討論の絶えない植物。
でも、成長の度合いがとても早く、その上多種多様に産業に応用できるため(車のボンネットに麻からできた素材を使っても、十分強度が耐えうるという報告あり)、将来を期待される植物です。今では、大麻の原料となる種を結実させない品種もあるらしく、エコロジカルで持続可能な素材として、大いに注目されているのです。
 もちろん、食用にもオッケー。
環境問題に興味のある方はもちろん、「麻を食べるなんておもしろそう」と思った方は、ぜひこのレストランを訪れてみて下さい。麻のビールあり、豆腐あり、麻の実をあしらったどんぶりから、麻のミルクを使ったデザートまで多種多様なものをいただいていれば、麻の世界が広がること、うけあいです。もちろんダークな感じはしないので、どうぞご安心を。
そして不思議なことに、麻を食べると身体がクレンジングされた感じがするのは、私だけではないはず。

[ 0033 ] 『ホテル・ハイビスカス』 

2003年8月29日 映画館は、最終的に盆踊りのような状態だった


『ホテル・ハイビスカス』は、沖縄・名護市を舞台にした映画。主人公の小学生・美恵子を中心として、ホテル・ハイビスカスに集う人たちの平凡かつ特別な日常を描いた、心がほんわかする映画です(というのは、以前にも書いたような気がします)。
見ている最中もとても面白いけれど、後からおとずれる余韻が、なんとも言いがたい。「ああ! あの時ああいうことを言いたかったのでは?」...と、波のように繰り返しくりかえし気づきがおとずれるのが、たまらないのです。
ちなみに、前作『ナビィの恋』も、いまだにいろいろ考えさせられて新鮮。私の人生が進んでゆくたびに、「あのシーンの意味はああじゃないか」「いや、こうじゃないか?」と映画も進んでゆく。
まるで映画が私の日常生活の中にしっかり息づいているみたい。
こういう「人生とともに、解釈も進む」作品は好きです。
 というわけで、渋谷シネマライズに出かけてゆきました。その日の上映はトークショー付き、おまけに最後は、監督・出演者・客席入り交じっての大カチャーシー大会(三線の速弾きに合わせて踊る踊る!)状態!
思わず興が乗って、わたしも踊ってしまった。監督さんと観客が一緒に踊るというのは、なんというアットホームな状況...と不思議な気分でした。
 同監督の最新作『白百合クラブ東京へゆく』も楽しみ。いつかグッドタイミングで上映機会にあたるのを、心待ちにしています。


[ 0034 ] an an だった

2003年9月2日



9月3日発売のan anに、手帳術を紹介していただけることになりました。良かったらチラ見してみて下さい。
 ご報告するのは妙に恥ずかしいのですが、「なによ、なんなのよ」と友人等々から問い合わせが多かったので(ありがたいことです)、ここに載せておきました。
これに恥じぬよう、これからもがんばります。
an an スタッフのみなさま、ありがとうございました。
 ちなみに、マガジンハウスのドアは総ガラス張り。まるで忍者屋敷の入口のようで、思わずガラスにつっこむところでした。何を惑わすつもりで、ああなっているのだろう?

[ 0035 ] ヒバクシャ 

2003年9月5日 東京に秋を知らせる激しい雷雨の2日後

「被爆者」という言葉から私は、広島・長崎の人々をイメージします。しかし、被ばくした人々は、実はそれにとどまりません。そのことを描いたのが、鎌仲ひとみ監督の映画『ヒバクシャ』です。
 さっそく見に行ってきました。映画終了後、監督の講演がついたゴージャス版です。「被ばく」というテーマを扱いながらも、見終わった後に重苦しい悲愴感がない、さりげない、しかし堂々とした映画でした。
 映画では、直接原子爆弾を当てられた「直爆」によるヒバクシャではなく、間接的に放射能を身体の中に取り込んだ「被曝者」(←表現する字が違うのです)に視点が当てられています。
ヒバクシャの定義を「直接被爆」だけでなく「間接被曝」まで広げると。...この地球上で被曝していない人は、もはやいないのではないかという、じつに壮絶な事実にゆきあたるというのが、この映画のキモでした。
 どういうことかというと、主にアメリカとソ連が行った核実験で、地球の大気の表面はうっすらと放射性物質をふくんだ「ちり」に被われています。それが大気に乗って地球を循環し、雨となってに降り注ぐ。そして私たちは水を飲み、大地から食べ物をいただく。
『ヒバクシャ』の中で描かれている被害者は実は私たちであり、しかも地球に対する放射能汚染の加害者も私たちであるという、深い事実にゆきあたるのです。それなのに、私たちは戦争も核開発も、未だに止めることができません。
 ちょっとでも関心を持ったら、こちらをクリック。
http://www.g-gendai.co.jp/hibakusha
ヒバクシャ、私の中では必見ムービーです。


[ 0036 ] 火星ピカピカ、台風ゴーゴー

2003年9月10日 6万年ぶりの天文ショー...の翌日









月のとなりの小さな点が火星

見えますか?

昨日の夜の「月と火星の最接近」は、すばらしかったですね。
 こうこうと夜空を照らす月のそばで、火星が赤くぴかぴか光っている。月の光に消されることなく光る赤い星を見ていると、「昔の人にとって、天体現象はもっともっと身近なものだったに違いない」としみじみ感じました。
そういえば、昨日お会いした助産婦さんが「今日は、いつもでは考えられないぐらい、赤ちゃんが生まれていますよ」とおっしゃっていたっけ。遠く夜空にある天体が、私たちに不思議な影響を与えていることがリアルに想像できる、不思議な夜でした。
 ところで目下の沖縄には、非常に勢力の強い台風14号が接近しています。
東京にいても、時々強い風...そう、台風のとおいとおい外縁特有の風らしきものが感じられるようになりました。我が事務所の窓からベランダへ、強い意志を持っているかのような風が、勢いよく通り抜けてゆきます。
ところが関東に住んでいる私たちは、とりたてて何かない限り、沖縄に台風が来ていることを耳にする機会がありません。「ニュースにも、非常に地域差がある」ということを、思い知らされる事実です。台風14号の予想進路は韓国の方に向いていますから、このまま知られないうちに行き過ぎてしまうのかしら。
 沖縄は台風銀座ですし、台風は一年のうちに必ず来る気象現象だから、いちいちニュースにはならない...折り合ってゆく体制がすっかりでき上がっている...と言えばそれまでです。
でも、東京に台風が近づいた時だけ大騒ぎするのは、「自分たちだけ良ければ...」みたいでなんだか切ない。それに東京のニュースばかり(しかも悪いニュースばかり!)を聞くよりは、もう少し多様な世界の、多様なことを知りたいとも思います。
 加えて、ことが台風だったらまだしもです。今年の6月頃、沖縄で再び米兵による女性暴行致傷事件があった時、沖縄では連日そのニュースが報道されていました。基地の問題も絡んでいるこの事件。本当はみんなで考えなければならないニュースなのに、東京での報道が少なかった、しかもすぐ消えてしまったということを知って、とても残念な気持ちがしました。








東京の夕方は、ドラマチックな雲が
台風直後の沖縄に向かう
飛行機の中で、よく見る雲
きっと遠くにある台風の影響でしょうね

[ 0037 ] 風車倒壊 

2003年9月14日 台風14号の被害報告が続々



 「台風ならまだしも」「報道されない」なんて、前の項には書きましたが、台風、大変なことになってしまいましたね。「ニュースにも取り上げられないよ〜」なんて言っているうちに、皮肉なことに大ニュースになってしまいました。
 ちなみに(私の気象の勉強によると)台風の強さは5階級にカテゴリー分けされます。
 弱い    最大風速17〜25メートル/秒未満
並みの強さ 最大風速25〜33メートル/秒未満
強い    最大風速33〜44メートル/秒未満
非常に強い 最大風速44〜54メートル/秒未満
猛烈な   最大風速54メートル以上
 気象の勉強をしている事情で、八重山沖の台風をずっとをウェブサイトで観察していましたが、9月10日にHPに書いた時点で、気象庁はこの台風を「猛烈な」台風とカテゴライズしていました。(いちばん強い台風です!) それなのに、東京ではぜんぜんニュースにならない。そのことに、憤然としていたのです。
 ご存知の通りこの台風14号は、韓国に多数の死傷者をもたらし、宮古島に大変な被害と爪痕を残しました。7月に取材に行った宮古島の七又・狩俣の風車は、すっかり根元から曲がってしまった。さすがに、映像を目の当たりにすると、ショックです。
(http://mytown.asahi.com/okinawa/news02.asp?kiji=1108 参照)
 デンマークやドイツ製の風車に、アジアの強烈なTyphoonのエネルギーは折り込まれていなかったのかもしれません。風速72メートルという風のパワー(ちなみに風速72メートルとは、260キロのスピードが出た新幹線の、コックピットが受ける風と同じだそう)や、台風が48時間も宮古に留まるということ、...計算外のことがいくつも重なったのでしょうか。
 かつて取材でお世話になった宮古スタッフの皆さまが、いかに消沈しているかと思うと、心が痛みます。あたたかく迎えていただき、本当にお世話になりましたので、様子が気になります。風車が倒れて下敷きになるなどの怪我人が出なくて、せめて良かったものの、これからが本当に本当に大変。私も、できることを探してゆかなくてはです。

在りし日の狩俣の風車

空と海の青に生命力が宿って、まるで風車が生き物のように見えたのを覚えています

[ 0038 ] 手帳、ちょ〜っと待って!

2003年9月14日 台風の爪痕が痛い中、仕事中

珍しく、仕事の具体的な話を載せてしまいます。今何を一生懸命やっているかというと...、実は手帳をつくっています。私が命名するところの『魔法の手帳』、ディスカヴァー21さんからの発売予定です。
内容はといえば、ただ漫然とスケジュールをするのではなく、一ヶ月ごとにテーマを持ちつつ、有意義に一年を過ごそうという代物。詳しくはまだ秘密ですが、いうなれば「自分と共に成長するような手帳」を目指しています。
 もちろん、スケジュール部分...つまり時間軸の部分にもこだわっています。
だってそもそもは、私が長年愛用していた手帳が生産停止になってしまったのが、企画の発端なのですから。はじめは市販の手帳にいろいろ工夫を加えて使っていたものの、やはり 納得がいかない。それなら、もっといいものを....そう、今までにないぐらい、いいものを! と気合いを入れて作っているのが、今回の手帳。
「なんたる自己中心性!」と言われてしまいそうですが、自分が納得して使えるのであれば、他の方にもおすすめできる。...というわけで、相当気合いを入れています。
 目下のところ、いい仕上がりでウキウキ。10月末から11月はじめにかけて、書店にお目見えするはずです。
「手帳、買おうかな...」と迷っているなら、11月までちょっと待ってくださいまし。ディスカヴァーの手帳も、ぜひぜひご注目下さいね。

[ 0039 ] うわさ 

2003年9月15日 フェーン現象が続く、蒸し暑い日に

「うわさ」とは不思議なもの。連休明けの16、17、18日頃に、関東地方を中心とした地震が来るといううわさが広まっています。出所とされているのは、おそらくここ。
http://epio.jpinfo.ne.jp
関係者の方がしっかりと電波や磁場を観測し、それに基づいた結論が週刊朝日に紹介されて、ここまで広まったというお話です。
 今までも地震のうわさは繰り返し語られましたが、そのたびに地震は来ず、うわさはうわさで終わり、幸いな結果になりました。
でも今回のお話は、個人的になにか気になる。
ということで、さっそく土曜日に部屋の模様替えをしたのです。ベッド周りやワークスペースといった、自分の身体が生活をする圏内にある危険物を、ことごとく動かします。
以前から地震対策をしようと思っていたこともあって、考えるより先に身体が動いたという感じ。一気に模様替えを済ませてしまいました。重量級の家具をサクサクと動かしていた自分には、さすがにびっくりしましたけれど。
 地震のうわさに一喜一憂するよりも、それを機会にライフスタイルを見直してみるのもいい...と、日本海中部地震の経験者は思うのです。水を備えたり、薬品の点検をしたり、いざとなったら助け合えるご近所さんがいるような生活をしているのかな〜なんて考えたり。いずれにせよ、いろいろなきっかけになります。
ちなみに、明日は家具の固定をする計画です。

[ 0040 ] びっくりした!

2003年9月17日 地震が来るという噂の当日に



季節外れの入道雲が、向かいのビルのガラスに映る、ある晴れた日。喫茶店で隣に座った方と、肩凝りの話題がきっかけで、話が盛り上がりました。たまたまコンピュータを持っていたので「こんな本出してます」と、HPに載ってるやつを見せたところ。
表紙イラストを見たその方が、「この本、持ってる...」
...。
今まで、仕事関係以外の人に本を紹介する機会もありませんでした。しかし今日、はじめて友人・知り合い以外で本を買って下さった方に遭遇して、びっくりしました。意外にお近くに、いらっしゃったなあ。おどろきで、 少し地面が揺れたかも。



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