銀座吉田さんインタビュー bookdarts のこだわり!

銀座吉田さんインタビュー bookdarts のこだわり!

銀座吉田株式会社さんは、ONSA にbookdarts(ブックダーツ)を納品してくださっている会社さん。
ブックダーツの他にも、素敵な文具を取り扱っていらっしゃる、卸元さんです。
文具にまつわる、どんなストーリーが聞けるのでしょう。
銀座吉田株式会社の山野さんに、藤沢がお話をうかがってみます。

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キラリと光る逸品、「bookdarts」のストーリーを、ぜひ教えてください!
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銀座吉田 山野:

 ブックダーツは、今でこそ、日本全国の雑貨屋さんで広く見られます。
さぞ大きな文具メーカーが作っているかと思いきや、実はアメリカの小さな工房で、個人経営で手作りされているものなんですよ。
ボブさんとジャネットさん夫妻を中心とした、家族でやっているんです。

そもそもの発案者であるボブさんは、元・高校の先生。
ブックダーツを作り始めた時は、なんと現役の先生だったんですよ。


きっかけは、こんな風です。
ある日ボブさんは、兄弟であるノーマンさんに、とある文具を見せられました。
「この金属製のページホルダー、ページをうまくはさまないんだよね〜」
医学書を読むノーマンさんは、ボブさんが金属をいじったことがあるのを知っていて、「ページにきっちりと留まるページホルダーを作ってくれないか?」と依頼してきたのです。

その時はそれで終わってしまったのですが……。
後にボブさんは、ご両親がお亡くなりになった時に残してくれたささやかな遺産で、プレス機を購入。

そして、ページホルダーを作ってみます。
最初のユーザは、ノーマンさん、そしてボブさんが教えていた生徒さんです。
ですから、そもそもブックダーツは、彼が内輪のために……自分の教えている生徒の朗読授業に役に立つように(!)と作ったのでした。

授業ですから、覚えておいてほしいセンテンスに印をつけたり、終わったページにマークをしたり、マークをしたまま教科書を交換したり……。授業中にこのブックダーツが、すごく役に立つわけなのです。

ところがそのうち、生徒の両親が「これはいい」「クリスマスプレゼントに贈りたいわ」ということになってゆきます。
求めに応じてプレスしてゆくうちに、雑誌の会社から依頼をもらい、うっかり受け、まさに家族総出でブックダーツをプレスしないと間に合わない状態に(笑)。
奥さんと2人の子どもも巻き込んで、どんどん家内制手工業みたいになってゆきます。
そういう経緯を経まして、1992年から、市場で販売されています。


ブックダーツ黎明期の頃……まだ本格的に販売されていなかったころ、生徒はよく言ったものだそうです。
「これは、留めたいところにぴたっと留まって、かつ本を傷つけない『唯一の』ペーパーホルダーだよ」
って。

この家族は今も、ブックダーツのみを手作りしています。
こうやってルーツをたどってみますと、製品に温かみがあるのもうなずけますね。

英語ですが、こちらにサイトもありますよ。
http://www.bookdarts.com/

そして、おそらくこれが、例の最初のプレス機ではないでしょうか。
「オリジナルのプレス機」と英語で書いてあるので、伝説のプレス機だと思います。
http://www.bookdarts.com/shop/pc/who_are_we.html


 

なるほど。それで必要最小限、実用主義、シンプルで優秀なんですね。
そもそも、(意図していないとはいえ)学校用なのですものね。
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銀座吉田 山野: 

デザイン優先というよりも、実用優先ですよね。

素材について、お話しさせてください。
このブックダーツ、素材は基本的に銅(ブロンズ)ですから、空気に触れると次第に変色してゆくんです。ですから、初期の時代のブックダーツなどを見学させてもらうと、はかなく変色しているものもあるんですよ。
また、手が触れると、手の自然の油分と反応して、これも経年変色の原因になる。

「変色」とは言いますが、これはいわゆる経年変化(時を経ることでの自然の変化)です。
それが、いかにも「使っている」という感じで、よいんですよね。アメリカ人はそういうの気にしませんし、むしろ大好きです。


ところが、このブックダーツが日本で受け入れられると……。日本人というのは、モノを綺麗なまま・変わらない状態で使いたいと思う傾向があるじゃないですか。
一方でこの、ブロンズ製のブックダーツは、変色してゆくところに味がある。
僕はこの、時間を経るごとに変わってゆく感じなんて、「使っている!」という感じでなかなか良いと思うのですが……。

とはいえ私どもは日本の会社ですから、日本の市場に向くように、工夫してみました。
変色しにくく、いつまでも綺麗に使える素材、ステンレスのブックダーツ(写真下)です。

     P1010069

 

それが、「銀座吉田別注モデル」ですよね! わざわざ作ってもらったんですか?
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銀座吉田 山野:

 いえいえ、もともとあったステンレスのブックダーツを、日本用にパッケージし直してもらいました。
見た目の綺麗さにこだわる日本人に合わせて、PP(ビニール)素材でパックしてもらったり(後述)。

こうやって開発した、日本発・別注のブックダーツパック。
実はその後、アメリカでも売っているらしいですけどね……(笑)。


 

逆輸入ならぬ、逆開発ですか?
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銀座吉田 山野:

 そうですね。ブックダーツの会社は、良いものは取り入れてくれる、柔軟な会社です。

たとえば、初期の頃に日本に輸入されていたブロンズのブックダーツは、パラフィン紙に包装されていました。

どこかクラシックで、はかないパラフィンの封筒に入っていて、事務的というよりはプレゼントに最適な雰囲気。
「あれ、これは何なんだろう?」という、純粋な興味が持てる感じの外装。
あの独特の雰囲気というか、質感が、本当に飛び抜けて感じられた、ブックダーツ黎明期の製品です。

     P1010069
(* よくご覧下さい。上の2つがブロンズ+パラフィン包装、下がステンレス+PP包装です)


 

途中から、包装が変わりましたよね。
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銀座吉田 山野:

 そうです。空気を通しやすいパラフィン紙に変わって、空気を通しにくいPP(ビニール)包装に変わったんです。

この仕様の変更により、お客様の手元に届くまで、ブックダーツが変色したり空気に反応したりということは、だいぶ避けられるようになりました。
また、紙からビニール包装に変わったので、輸送途中や並べている途中で折れたりする率も下がりました。


 

こんな話を聞いたことがあります。
はたとえば、缶詰のカンがへこんでいたとするじゃないですか。
日本では「カンがへこんでいるから、取り替えて?」というのは、たぶん普通のことだと思います。

でもある日、誰かがアメリカで同じことを言ったら、
「日本人は中身だけでなく、カンも食うのか?」
と興味津々で聞き返されたそうです。


私(藤沢)の仕事は本を書くことですが、本も同じだと感じます。
アメリカの本は、たとえ本屋に並んでいたとしても、誰かが読んだ形跡がある(笑)。でも本は読むものなので、中身が大事ですから、みんなあまり気にせずに買ってゆく。

でも日本の本は、本当に綺麗ですよね。
お客様も新品美品を求めていると感じますし。
「読むもの」というより、まず「鑑賞するもの」という感じがしますよね。

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銀座吉田 山野:

  弊社(銀座吉田株式会社)では、海外の文具や良品を輸入しています。
実際に輸入して、使ってみると分かるのですが、海外の文具は日本みたいにピカピカな感じじゃない。

でもそれが味だし、余裕というか、幅を感じます。
人間だって、全員同じ人はいないのだから、その人間の使うモノだって、多少味があって微妙に違ったっていいように思うんです。
そこが、海外文具の魅力です。


そんな「遊びの幅」を意識して、時とともに変わってゆく感じを味わいながら、変質しないステンレス同様、銅(ブロンズ)のブックダーツも楽しんでいただけたら嬉しいです。
ステンレスもよいですし、ブロンズにもブックダーツのルーツ……オリジナルの温かみがあって、やはり素敵です。

時間とともに、ちゃんと「自分のもの」になりますので、どうか楽しんでください。


【記事制作】
協力 銀座吉田株式会社
http://www.ginzayoshida.co.jp/
インタビュアー・文責 藤沢優月



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