Sipilicaインタビュー なぜジュエリーデザイナーになったの?

ONSAのCharmシリーズのデザインを担当してくださっている、Sipilica(シピリカ)のまほさんをご紹介します。
まほさんは、アクセサリーのデザイナーさん。
ご自身のブランドSipilicaを展開されています。
そんなSipilicaのまほさんに、デザインへの想いなどを幅広く伺いました。

大変ありきたりな質問から始めることを、お許しください。
よく聞かれる質問かと思いますが、まほさんの場合、デザインのインスピレーションやヒントは、何から生まれますか?

Sipilica まほ:
……よく聞かれるんですけれど、生活すべてですよね!頭をひねって出てくるものでもないし、生活していて、そのなかでふっと湧いてくるアイディアや気持ちを大切にしています。
いつもデザインのことを考えていますから、流れの中で、自然に浮かんでくるんですよ。
そういえば私は、こんな経験があります。
いわゆるシルバーアクセサリーが爆発的に流行した頃なんですけれど、私はもうすでに、アクセサリーの制作をしていました。
当時はいわゆる、ごついシルバーアクセサリー大流行の時代。高価なピアスやリングが、作ればすぐに飛ぶように売れる! みたいな時代でした。
当時から個人的にシルバーが好きで、シルバーのものばかり作っていたのですが……。
私の好みが時代の流行と一致したこともあって、いわゆる重い感じのメンズライクのアクセサリーも、デザインのラインの一環として存在していたのです。
もちろん、「自分の好きなものを作る」という姿勢は、当時から変わらなかったのですが……。時代性もあって、「売れそうなもの」「受けそうなもの」を作れば売れ、売れれば作ってはまた作り……というような雰囲気に、まったく影響を受けずに済んだとは言えませんでした。
その時期のことは、とてもいい経験になりましたが、ちょっとだけ正直を言いますと、居心地がよくない部分もあったんです。
なぜなら「『流行だから』とこのアクセサリーを買ってくれる方は、このアクセサリーに『人』はあまり感じないかもしれないなあ……」なんて感じていたから。
話題性があるものとは、いわば突出したパワーのあるものですよね。そして、それもそれで必要なこと。
でも、私にとっては、少しだけいびつな気もするんです。
ものづくりというのは、人と人とが、関係性を持ちたくてやっていることですよね。
「モノ」と「モノ」との間に、人のぬくもりがあり、それをつなぐものが「モノ」だと思いますから。
ファストファッションももちろん、パワーがある。良さがある。
でも私には速すぎて、関係性を築いているヒマもないと感じました。関係性が、「命」を持つヒマもない速さだなあと感じたのです。
まほさんは、デザインに「命」を吹き込むために、どんなことを想っているのでしょうか。
制作する時に気をつけていることは、どんなことですか?

Sipilica まほ:
デザインする側が「これが好き」というものと、受け取る側が「これが素敵」と思う、そのいいバランスの中で、「モノ」ははじめて命を持つと感じています。だから、デザインする側が思考停止みたいになって、流行だけを追っていたら、そのバランスが半分で停止してしまう。
そういうわけで、日々の暮らしの中で感じることを、とても大切にしています。
なぜなら、暮らしの中から感じることは、形は多少違っても、誰もが感じていることだと思いますから。
別の言葉で言えば、「モノ」とは、引き潮と満ち潮みたいな関係だなあと思うことがあるんですよ。
そこに「モノ」があるだけでは、まだ潮目の半分だけ。
その「モノ」の中に作り手が見えて(半分)、買ってくれる人と出会うことで(もう半分)、2つのバランスがひとつになる。
そこで、はじめて「モノ」がバランスする。
アクセサリーはこのようにして、関係性の中で完成するものだと感じています。
少し話は変わりますが、アクセサリーっていわば、なくても死なないものじゃないですか。
水とかお米とか、食べ物みたいに、どうしてもなくてはいけないものじゃない。
でもその「なくても死なないもの」を、わざわざ作っているんです、私。
地球の中から銀を掘り出して、熱を加えて加工して、わざわざ作る。そのプロセスで、本来与える必要のないダメージをも、環境に与えてしまう。
だからせめて、自分の作るものに命を込めたいし、誠実でありたい。
自分が心からの納得がいって、作りたいんです。
そう思って、「2年間だけ」と決めて、アクセサリー制作を休業したこともあるんですよ。
自分がどういう価値観を大切にしているのかを確かめたかったし、本当に好きなら戻れると思っていましたから。
そうやって時間を過ごしているうちに、まるで自然な流れが出来るように、Sipilicaをはじめました。
想いを丁寧に大切にして、アクセサリーを作ってらっしゃるんですね。
そんなSipilicaは今、ap Bank fesをはじめとする夏フェスには欠かせないアクセサリーショップとなりました。夏フェスの代表格である「ap bank fes」でおなじみの方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
たくさんの人が、大切な夏の思い出にと、Sipilicaのアクセサリーを持ち帰ります。
最後に、そんなSipilicaファンの方々にメッセージをお願いします!

Sipilica まほ:
作り手である私が言うのがおかしいのですが、アクセサリーがなくても、人間のカラダは生きてゆける。でも同時に、人には「心」という大切なものがある。
心や想いがあるから、ずっと覚えていたい大切なこともある。
そういう「人の気持ち」と、そして、アクセサリーの素材を提供してくれる「地球」。
そのどちらも大切にして、アクセサリーを作ることを心がけています。
「どちらか」でなくて「どちらも」バランスよく大切にすることを、心がけているんです。そのバランスが、「エコロジカル」という意味なんだと感じています。
それに、何の「モノ」でも一緒ですが、好きで、大切にして、長くつきあうことが、結局いちばん自然なエコですよね。
「エコ」と言いますが、それは「何をするか」とかいう行為の問題と同時に、「大切にする」という心の問題だと感じています。
だから生活の中に「入れる」時に、「これはずっと一緒にいられるモノなのか?」と問うことも、エコ。
言い換えるなら、「大切にできるかどうか、よく考える」ということ自体が、もうエコだと思うんです。
最近よく「エコ替え」とか……捨てる時のことを話しますよね。
でもそもそも、自分の生活にその「モノ」を入れる時に、「本当にそれは私が欲しいものなの? 惹かれるものなの?」と考えることを大切にしたいですし、私自身は大切にしたい価値観だと感じています。
そういう意味でも、この手帳カバーには、ヒミツがあるんですよね!

Sipilica まほ:
そうなんです。ずっと大切にできる仕組みで作ってあります。このチャームはもともと、ネックレス用のものです。
それを手帳カバー用にコラボしました。
ですから、手帳カバーが使えなくなっても、チャームだけを外して、ネックレスなどに再加工することができます。
よかったら、ご自身の時間と一緒に時間を過ごしたあかしとして、このチャームと、ずっと一緒にいてあげてください。
Sipilicaのショップまでご連絡をいただけましたら、再加工のご相談にも乗らせていただきます。
(*再加工の際のチャーム以外の代金は実費になります/ONSA注)
このチャームを受け取ってくださる方の夢が、叶いますように。
時間が、素敵なものとなりますように。
そういう想いを込めて大切に作った気持ちが、どうか届きますように、心からお祈りしています。
【記事制作】
協力 Sipilica まほ
http://www.sipilica.net/
インタビュアー・文責 藤沢優月
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