ケアーにつながる[7]| いわゆる「パーソナリティ障害」は、本当にポピュラーに知られてきている

ONSA WORKSHOP にご参加判断をされる前に
ケアーにつながる[7]| いわゆる「パーソナリティ障害」は、本当にポピュラーに知られてきている


1 | いわゆる「パーソナリティ障害」は、本当にポピュラーに知られてきている


こんにちは、藤沢優月です。
6回にわたり「ケアーにつながる」と題して、「発達障害」「パーソナリティ障害」について、情報をお出ししてきました。
発達障害の分の全6回は完了して、次は「パーソナリティ障害」。

この情報出しの趣旨を、もう一度前置きすれば。
これは ONSA WORKSHOP にお越しくださったり、ONSA ウェブサイトをご覧くださったりして、「あれっ?」と感じてくださっている方向けの、安全情報。
「気づくこと」、気づいて、ケアーにつながることは、人生を安全にするための第一歩です。

これから約3回にわたり、「パーソナリティ障害」に関する情報を、お出ししてゆきます。

ONSA WORKSHOP にご縁をいただいたり、ONSA のウェブをご覧いただいた方のうち。
生きづらくて、でも生きづらさの正体が分からない場合の、ご参考になりますように。


2 | 「パーソナリティ障害」とは? 信頼できる情報をもとに、理解してゆこう


「パーソナリティ障害」とは、何か。
インターネットで「パーソナリティ障害」と引くと、いろいろな情報がヒットしますよね。

でもやはり、科学的で客観的な情報を優先して、理解したい。
同時に、科学的説明を読んでも、実感レベルで「?」という場合もあるので、実感レベルでも理解したい。

そしてそして、まるで妄言みたいな書き込み等はスルーしたい。
ものごとをシンプルにするために、科学的で、根拠のある説明がいい。


というわけで、客観性は、いつでもとても大事。
この場合、信頼できる2点の情報源から引っ張ってきて、検討しましょうか。

1点は、厚生労働省のウェブ。もう1点は、東京大学大学院心理研究科ベースの情報。
ではでは、いってみましょう。


3 | 「パーソナリティ障害は、『性格が悪い』ことを意味しない。」 キホンで当たりまえですが、大切な確認です。


まずは、厚生労働省のウェブです。
すごく一般的な、概略的な情報が出ていると感じます。

| 厚生労働省
「知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス」
 心の健康や病気 支援やサービスに関するウェブサイト


パーソナリティ障害は、大多数の人とは違う反応や行動をすることで本人が苦しんでいたり、周りが困っているケースに診断される精神疾患です。

認知(ものの捉え方や考え方)や感情、衝動コントロール、対人関係といった広い範囲のパーソナリティ機能の偏りから障害(問題)が生じるものです。
注意したいのは、「性格が悪いこと」を意味するものではないということです。

パーソナリティ障害には、他の精神疾患を引き起こす性質があります。
パーソナリティ障害と合併したほかの精神疾患が前面に出ることが多いので、パーソナリティ障害は背後から悪影響を及ぼす黒幕のような病気だということができます。

治療を進めるためには、患者と治療スタッフとが協力して問題を認識し、対策を検討するという作業が重要です。
最近の研究からも、この障害は経過中に大きく変化する、治療によって改善する可能性が高いものと考えられるようになっています。


理解したいのは、発達障害のところで見たのと、同じ原理。

発達障害は「どこかおかしい」のではなく、脳の特性。
特に、軽度の発達障害の皆さまは、微妙ゆえ気づきづらい。
「どうしてそうなるの?」という気持ちを抱え、とてもご不安に過ごしていらっしゃることを、15年のサポートの中で、何度も拝見してきました。
(だから、ONSA で気づけたら、すぐに専門機関へ GO!ですね)

ではでは、パーソナリティ障害の場合、いったい何がもつれているのか、ちょっと見てみましょうか。
上の表現では、抽象的すぎて、ちょっとあいまいな理解になりますね。
ですから、ひとつずつ順を追って、なるべく肌感覚に近い実感で、一歩ずつ理解です。



4 | パーソナリティ障害者は、すごく多い。でも、受診率は低い


私個人の、20年以上にわたる、共依存からの回復歴+サポート歴の中においても。「あ、この方はたぶん、パーソナリティ障害かな?」という方に、幾度もお会いしたことがあります。
ご自身で、「そういう診断を受けた」という方にも会ったことがありますし、彼らによって繰り広げられている大騒ぎを、遠巻きに、何度も目撃したこと・見聞きしたことがあります。

厚生労働省のウェブには、こんな興味深い記載があります。

アメリカの研究では、人口の15%の人がパーソナリティ障害であると報告されています (Grantら2004)。

しかし治療につながる例は少なく、実際に医療機関を受診するのは、他の精神障害を合併しているケースがほとんどです。
他の精神障害の合併については、境界性、反社会性パーソナリティ障害と薬物依存、回避性、依存性パーソナリティ障害とうつ病、回避性パーソナリティ障害と社交不安障害など、とくに結びつきが強い組み合わせがあることが知られています。

医療機関を受診するケースが最も多いのは、若い女性に多くみられる境界性パーソナリティ障害です。
境界性パーソナリティ障害の方は、しばしば自殺未遂や自傷行為を行うことがあるので、救急医療機関につながるケースも少なくないようです。

「知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス」
心の健康や病気 支援やサービスに関するウェブサイト(厚生労働省)


「人口の15%がパーソナリティ障害」。
これは、「アメリカの」と前置きがつくのか、それとも「全人類の」と前置きがつくのかで、大変異なってきますね。
文献が示されていますので、詳しく読めば詳細が分かりますが、今はいったん置いておく。

でも、いずれにせよ。
これほどまでに、該当者が多いとされる障害です。

それなのに、受診につながる率が少ないのは、やはりパーソナリティ(人格)に近い部分で起こっている障害だからでしょう。


私たちが日々現実を暮らしていると、次のような肌感覚が、きっとあるように思うからです。



5 | 「それは、個人のこと。」


パーソナリティ(人格)に近い部分に立ち入るのは、健康な人なら、誰だって躊躇します。
健康な人なら、パーソナリティ(人格)の部分は「個人の領域」「プライベート」と考えて、尊重する場合が大半だからです。


同時に、こんなことも、ありえそうです。

現実生活はみな、自分のことで忙しい。
本来なら、大人は誰もが、まず「自分周り」のことに全力集中するのが、健康なあり方だからです。


だから、
「あの人は極端な考え方をするから……→ 距離を取る/関わらない」
なんていう現実のシーンは、多々あることでしょう。
誰にだって、自分の人生がありますから。そしてそれは、誰しもに与えられた、当然の権利です。

ですから、たとえば、彼氏と彼女がもめているとしますよね。
「痴話喧嘩でしょ?」と、周りはだいたい考えます。

「関わるのがめんどくさい」という一面も、もちろんあります。
同時に「大人になったら、それぞれの考えを侵害しない」「喧嘩して仲直りするのも、プロセスの一部」「人生レッスン」と考える、社会マナーもあります。

ところが、「人生レッスン」と考えられる範囲には、「常識範囲」というものがありますよね。
出ました。
また「常識範囲」という言葉です。

「パーソナリティ障害」という障害が絡んでいる場合、「人生レッスン」では、桁が済まないことが多い。
通常の「常識範囲」を、いちじるしく、桁外れに外れた事態になってしまう場合が多い。


たとえば、ふたを開いてみたら、「痴話喧嘩」が刃物沙汰・警察沙汰になってしまったというケース。
あるいは、自殺未遂や自傷行為で、かつぎこまれる。

「誰かの気を引きたかった」というレベルで、刃物を出すなんて、常識レベルでは考えられない。
あるいは、「気持ちを引き止めたかった」という理由で、自傷行為に及ぶなんて、常識から考えたら、度を超えすぎている。

健康な人なら、恐怖によっては、本当の意味で「人の心」は引き止められないと知っている。
それゆえ、健康な人の世界では、「気持ちを引き止めたかった」という理由での自傷行為は、完全にムダ行為。だから、どうして結果がついてこないのに、激痛を伴うことをするのか、理解不能。

ということで、大騒ぎの中、常識範囲の正常な人たちの世界へかつぎこまれるタイミングで。「性格ではなく、これは、障害だったのか!」と、診断されるケースが多い。


6 | ふだん接している「常識範囲」のずれが、バランス感覚を分からなくする


発達障害のように、「脳の特性です!」といったふうに、データで示せる場合。
客観的なデータがある場合は、まだ判別しやすい。

でも、「常識範囲」をいちじるしく逸脱って……どれぐらい? となりますよね。
「どれぐらい?」
「度合い」
って、難しいです。


たとえばですが、「パーソナリティ障害」当事者の周りの環境が、「アルコール漬け」「薬漬け」「借金漬け」という場合。
日常接する「常識」レベルが、すでに世間の「常識範囲」とけっこうずれている場合。
自身の抱える問題……「パーソナリティ障害」に、気づけないことが多い。

だから受診につながらず、結果的に、症状を悪化させてしまう。

「あの人は、ああいう性格だから」
そんな言葉で済まされて、受診からスルーされる。

だから、「パーソナリティ障害」自体に「あれっ? もしや?」と気づけたら、拍手です。
なぜならそれは、未来に大問題になるかもしれないことに、事前に気づけたということだから。

気づけたら、ケアーにつながれます。
これが、とても大事なこと。



「パーソナリティ障害」は、パーソナリティ(人格)に近い部分ゆえ、他人の立ち入りが微妙。
だからこそ、問題がどんどんでかくなって、症状が進行して、いよいよそれが「現実の問題」として露見するなんてことになる前に。
自身で「あれっ?」と気づけたら大拍手。


大ごとに至る前に、気づけるといい。
だから、「あれっ?」へのヒントを、もう少し見てゆこう。





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