ケアーにつながる[9]|「パーソナリティ障害」とは、具体的にどんな症状?

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ケアーにつながる[9]|「パーソナリティ障害」とは、具体的にどんな症状?


| 「パーソナリティ障害」とは、もっと具体的に言うと、どのような症状?


「パーソナリティ障害」のムードは、何となく、分かってきました。
それでは、もっと具体的に、イメージを知りたい。

「パーソナリティ障害」とは、具体的にどのような症状を呈するのでしょう。
以下、引用部分に書かれている文章はすべて、『よくわかる臨床心理学』(下山晴彦 編/ミネルヴァ書房)より引用しています。

ちなみに、きっちりグループ分けの通りというわけではないということを、頭のどこかに入れて読むと、とても参考になります。
パーソナリティ(性格)という部分は、厳密に切って分けることができません。
このグループの傾向もあるし、こちらも心当たりがあるという状況が、現実的な状況でしょう。


加えて、下のような要素が、判断の大きな基準となります。

POINT |
・一般常識にくらべて、極端にあらわれていて
・安心して働けるレベル・特に大きな問題なく日々を暮らせるレベルを、いちじるしく逸脱しており
・長期間続いていて(それゆえ、異常に気づきづらく)
・場合によっては、鬱になったり、ストレスによる身体症状も見られることがある

それでは、具体的にどのような症状を呈するものなのか、ひとつずつ見てゆきましょう。
上記の知識を頭のどこかに置いて、「あれっ?」をさがしてみてください。


|「派手であったり、突飛なほうに、いちじるしく飛び出すタイプ」のパーソナリティ障害4タイプ


| 境界性パーソナリティ障害

現実に、または想像の中で見捨てられることを避けようとして、なりふりかまわぬ努力をする。理想化とこきおろしの両端を揺れ動く不安定で激しい対人関係様式を示す。
自己感が不安定である。

浪費や性行為を含む、衝動的な行動を示す。
自殺の行動、そぶり、自傷行為を繰り返す。

感情が不安定である。慢性的な空虚感がある。
怒りの制御に関して、顕著な問題がある。
ストレス関連性の妄想様観念または解離性症状を示す。


[ 境界性パーソナリティ障害 ]

たとえばですが、対象となる人を、まるで理想の人物のように崇める。
そして、いったん何かが起こったら、徹底的にこきおろす。
この振れ方は、健康的な人たちの間では、起こらないことです。健康的な人は、人は人であり、良い面もうっかりした面もあり、完璧な人など存在しないと知っていますから。

「自己感が不安定」と書いてありますが、いわゆる一般的な「共依存」の方とは、不安定のレベルが違う感じです。
共依存の方は、いくら不安でも、現実をギリギリ崩さないために、何とか踏みとどまる力が残っています。あるいは、めいっぱい罪悪感を覚えながらも、嫌なことからさりげなく逃げたり、怒りや不満を押し殺して踏みとどまったりします。

ところが「境界性パーソナリティ障害」の場合は、見捨てられたくないため、内心は嫌なことでも応じてしまったり、安易に時間やお金、エネルギーを差し出してしまう傾向が強くあります。
その結果、「境界性パーソナリティ障害」の方は、パートナーシップの問題を、よくお持ちのようです。
暴力を受けたり、脅されたり、信じられないほどの精神的な圧力を加えられても、従ってしまうのです。

そのストレスがどこに向かうかと言いますと、過度な爆発です。
たとえば、いったんカッとなったら、怒りを制御するのが難しい。さっきお伝えした「こきおろし」ですが、何かのスイッチが入ると、攻撃は対象の人に向かい、対象となる人を徹底的に攻撃したりしがちになります。

あるいは、相手に思い知らせてやるために、自傷行為におよんだり、自殺をほのめかしたりします。
妄想や解離(自分という感覚から、ふわっと離れてしまう感じ)が、生じる場合もあるといいます。

上を読んで、「もやっ」とした場合。あるいは、世間常識とくらべて、いちじるしく逸脱していると感じるパートナーシップや、仕事、激しい金銭状態(長期にわたり、病的な浪費や借金をくりかえすなど)の状態が生じているならば。
気持ちレベルの問題ではなく、治療レベルの問題かもしれませんので、受診が必要です。

| 演技性パーソナリティ障害

自分が注目の的になることを強く望む。
不適切なほど、性的に誘惑的な行動を示す。

感情表出がすばやく変化する。自分への関心をひくために、たえず身体的外見を利用する。
過度に印象的だが、細部においては内容のない話をする。

大げさで芝居がかった情緒表現をする。
過度に影響を受けやすい。対人関係を実際以上に親密なものとみなす。


[ 演技性パーソナリティ障害 ]

誰であっても、無視されるのは嫌で、注目してほしい願望を持っています。
これは、人として、ごく正常な反応です。

ところが、「自分に注目してほしい」という度合いが、常識を外れて強い場合。
人生の本筋……「私は、どう生きてゆくのか」にエネルギーを注ぐのではなく、「人に注目されたい」という部分に、常識を外れた度合いでエネルギーを注ぎ込んでしまっている場合。
「注目をされる」という状態がほしいために、常識を外れるほどの度合いで、芝居がかったり、装ったり、ペラペラとしゃべったり、もったいぶった感じが、やめられないならば……。

テレビを時々にぎわす、「何で、こんなことをするの?」という方々の一部は、「演技性パーソナリティ障害」の症状をお持ちと報道されています。
心当たりがある場合は、行き詰まる前に、早めの受診が必要かもしれません。

| 自己愛性パーソナリティ障害

自己の重要性に関する、誇大な感覚がある。
成功、才気、美しさにとらわれている。過剰な賞賛を求める。特権意識をもつ。
他者を不当に利用する。嫉妬深い。


[ 自己愛性パーソナリティ障害 ]

最近、よく知られるようになり、それと同時に、自覚者が増えてきている症状といわれています。

「私は王様・私はお姫様」
「周りの人は、私の人生の役に立つための人々」
というふうに、信じ込んでいるふしがあります。
当然、現実はそうではありませんので、しばしばトラブルになります。
このような前提を、「そうですか」と受け入れられる人は、現実にはいないため、人間関係が長続きしません。

自分の人生をうまく運ぶために、他人を利用します。
「自己愛性パーソナリティ障害」にとって利用価値のある人とは、自分に特権意識(=私は特別なの!)を感じさせてくれる人です。
ところが、「あなたは王様/お姫様ではないのよ、他人を何だと思っているの」というような、ごくごく常識的な意見に直面することに耐えられないため、そのような意見を言う人たちを避けたり、敵視したりします。

利用対象の人が常識を発揮し出して、もともと無理のあった「過度な理想の」自己像をゆるがすような行動をとりはじめると、その人の「裏切り」を猛烈に攻撃し出したり、突然、その人をポイと切り捨てたりします。
あるいは、相手をあからさまに価値下げしたり、暗にコントロールしようとしたりします。
頭のどこかで、うすぼんやりと「それはよくない」と分かっていても、この、周期的な繰り返しがやめられない。
これ以外に、人生を運んでゆく方法を知りません。

等身大の自分に直面できず、もろい自己像に耐えられません。
原因の中でも大きな比率を占めるのは、幼少期の過度な甘やかしと、不安定な子育てと言われています。

重ねて、「性格が悪い」のではなく、症状となります。
そのままでは症状も進み、人生も破綻してゆきますので、「はっ!」と気づけたら、受診した方がよいと言えます。

| 反社会性パーソナリティ障害

違法行為を反復する。人をだます、ウソをつく。
衝動的である。
苛立や攻撃性がある。自分または他人の安全を考えず、向こう見ずである。
仕事が続けられない。
経済的義務を果たさないなど、無責任である。
良心が欠如している。
(* 15歳以前に行為障害があり、18歳に達していることが条件)


[ 反社会性パーソナリティ障害 ]

「息を吐くように、ウソをつく人」です。良心が欠如していますから、ウソをつくことに、罪悪感を覚えない(よう)です。

まるで、がまんのできないティーンエイジャーのまま、大人になってしまったかのうようです。
スピード違反で警察にたびたびつかまったり、カッとなって仕事をやめたり、とにかく衝動的。命や安全に対する概念が、一般常識とかけ離れているようです。

仕事が続けられない人が多いので、基本的に、社会的信用も、お金もありません。
ですから、「甘い言葉と搾取(アメとムチ)」を利用して、自尊心のきわめて低い異性に、寄生したりする場合が多くあります。寄生される側が「境界性パーソナリティ障害」や「依存性パーソナリティ」であったりする場合、ぴったりマッチングしてしまいます。

平気で浮気もすれば、人の心を裏切ります。しかしながら、罪悪感がありません。良心がありませんから、人を傷つけることを、悪いとは思っていないふしがあります。
悪いことをしている自覚がありませんから、問題意識・当事者意識がありません。当然、このページを読むこともないでしょうし、みずから受診をすることはないでしょう。

これとは逆に、このようなタイプに巻き込まれている方が、このページを見るケースは、大いに考えられます。
お互いに、ジェットコースターのように、乱高下とトラブルを繰り返す関係になり、常識レベルは吹き飛んでいるかもしれません。
当事者意識のない本人を変えることはできませんから、この場合、このような相手に「引っかかっている」ほうの人間が、自分を癒すための受診をすることに意味があります。



|「不安や恐怖に関連するほうに、いちじるしく飛び出すタイプ」のパーソナリティ障害3つ


『よくわかる臨床心理学』によると、次の3つは特に、日本の文化と親和性が高いタイプといわれています。

| 回避性パーソナリティ障害

批判や拒絶を恐れるため、対人関係を回避する。
好かれていると確信できなければ、人と関係を持ちたいと思わない。
恥をかかされること、または馬鹿にされることを恐れるため、親密な関係の中でも遠慮を示す。

批判されること、または拒絶されることに、とらわれがちである。
自分について、不適切であるという感覚がある。
劣等感がある。
恥ずかしいことになるかもしれないという理由で、何か新しい活動にとりかかることに、異常なほど引っ込み思案である。


[ 回避性パーソナリティ障害 ]

なんだか、日本人そのものみたいな感じですね。
でもポイントは、社会生活に支障を来すぐらい、常識範囲を超えて「過度に」ということです。

拒絶されることを恐れて、社会に出られない。ぐるぐるしている。
引きこもっている。
社会を生きていれば普通にある「無理です」にも、ちょっとした批判にも、耐えられない。過度に動揺してしまう。

社会の中に生きていれば、「無理です」と言われることは、しょっちゅうです。
すれちがい、行き違いだって、しじゅうあります。

誰でも、「無理」と言われることは、気持ちよくはありません。
ですが、それを恐れていては、生きてゆけません。
ですから人は、「ノー」と言われることに嫌でも慣れて、コミュニケーションを覚え、大人になってゆきます。

ところが、批判や拒絶を過度に恐れ、避けることで、社会の中で、異常なほどの生きづらさを感じていたら。それは、生来のパーソナリティ(人格)ではなく、症状かもしれません。
重ねて、「パーソナリティ障害」とは、性格が悪いとか、性格が弱いといった現象ではありませんので、まずは受診を。

| 依存性パーソナリティ障害

他者からあり余るほどの助言と保証がなければ、ものごとを決定できない。
自分の生活のほとんどの領域で、他者に責任をとってもらうことを必要とする。

支持を失うことを恐れるために、他人の意見に反対を表明することが困難である。
自信がないため、自分で物事を行うことが困難である。

他者からの是認や支持を得るために、不快なことまでみずから進んでやるほどである。
他者の助けなしに、物事にうまく対処できるという自信がないため、一人になると無力感を抱く。
親密な関係が終わってしまうと、新しい関係を必死で求める。自分が世話をされず放っておかれるという恐怖にとらわれている。


[ 依存性パーソナリティ障害 ]

「どうして、そんな状態にとどまっているの?」というほど、尽くしすぎてしまう人が、時々います。

常識では考えられないレベルで、自分を犠牲にして、相手の世話を焼きまくったり。自分を曲げて(失いかけて!)まで、相手を理解しようとしたり……。
そんなふうにして「耐える」代わりに、生活や、感情をお世話してもらう。
常識レベルから見れば、自由も少なく、まるで奴隷みたいな状態になってしまう。

でも、その関係から放り出されることを怖れ、自分を提供し尽くすことをやめられない。相手を失わないために、何でも言うことを聞いてしまう。
「どこまでガマンできるか」が、「愛の深さ」と、誤解しているふしがあります。

ですが、そもそも、何でも言うことを聞き、要求を飲み、言いなりになることで、相手をつなぎとめてはおけません。
正常な人間関係は、そんなふうにはできていません。
常識的な関係の中ではもちろん、常識からかけ離れた関係の中であっても、これでは「重い」です。

「重い」と言われ、相手から放り出されても……。すぐに次の相手を見つけ、関係にのめりこんでしまう。こんな繰り返しがやめられないとしたら、「恋愛体質」ではなく、症状かもしれません。

あなたの人生のめんどうを、一から十まで見てくれる人は、この世の端まで探したところで、存在しない。存在しないものに、時間やお金・エネルギーを注ぎ込んでいては、人生が行き詰まります。
「あれっ?」と感じたら、受診をお勧めします。

| 強迫性パーソナリティ障害

活動の主眼点が見失われるまでに、規則や細目にとらわれる。
課題の達成を妨げるような、完璧主義を示す。

娯楽や友人関係を犠牲にしてまで、仕事に過剰にのめりこむ。
道徳に関して融通がきかない。
価値のないものを、捨てることができない。

他者が自分のやり方に従わない限り、仕事を任せることができない。
けちなお金の使い方をする。
硬さと頑固さを示す。


[ 強迫性パーソナリティ障害 ]

人生のさまざまなことには、その場その場の、主たる目的があります。
たとえば「この仕事をいついつまでに仕上げる」といった状況の時に、その仕事の主な目的には、とにかく期日までに仕上がることが含まれます。

ところが、「強迫性パーソナリティ障害」の場合は、とにかく細部が気になります。
「マニュアルが、なっていない」
「この部分が、ルールに違反している」
と細部にとらわれているうちに、仕事の期限はそっちのけになってしまう。
あげくの果てに、
「期限よりも、もっと大事なことがあるはず」
というふうに、主客逆転してしまいます。

このように、とにかく過剰に、融通がききません。
自分の中に頑なルールがあって、そのルールから逸れる状況や人を、きわめて受け入れづらいのです。
当然、現実が行き詰まりますから、早めの受診をお勧めします。



|「奇異な(おかしい)・普通でないほうに、いちじるしく飛び出すタイプ」のパーソナリティ障害3タイプ


| 妄想性パーソナリティ障害
| ジゾイドパーソナリティ障害
| 失調型パーソナリティ障害
 * 重ねて、本記事では説明を割愛する「型」となります。興味のある方は、ご自身で調べてみてください。


ONSA WORKSHOP にご縁をいただく方には、あまり関係のなさそうなタイプです。

どちらかというと、精神病質傾向や、犯罪のにおいがする感じです。
ご興味のある方は、ご自身で調べてみてください。

そして「あれ?」と感じたら、とにかく受診。

重ねてポイントは、ひとつのパーソナリティ障害に「だけ」当てはまることは少なく、このパーソナリティ障害と、あのパーソナリティ障害、両方の症状が出ている……といった場合が、まま起こります。
パーソナリティ(性格)に関係する部分は、厳密に線引きできないからです。

それゆえ、上記にあてはまったら、早めに受診をすることが必要です。
重ねてこれは、性格の弱さや、悪さといった問題ではありません。





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