[5]「セミオーダー」という、安全便利なしくみ

| 自由にできる = 成功とは限らない カバン写真



05 | 「セミオーダー」という、安全便利なしくみ

| フルオーダーは、意外に難しい



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革に関する知識があって、経験があっても。
「フルオーダー」は、時に失敗することがあります。
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望みを全部組み合わせても、望み通りになるとはかぎらない


革がなめされ、革問屋さんに引き継がれる。
革問屋さんから、職人が革を引き、仕立ての準備を整える......。

仕事はもう、ほとんど完了したように思えます。
ところが、ここはまだ、道なかばです。

「設計」という、大問題が残っています。
平たく言えば、「デザイン」というパートです。

しかも、この場合の「デザイン」。
外観や見た目だけの、問題ではありません。そうではなく、「日常生活の中で、使いやすいかどうか」という問題を、おおいに含みます。



それはたとえば、こんな例にもあらわれています。

ONSA Yukkuri Store で、「ファーストサンプル」を作る時。
慎重に準備して、調べて。
職人の意見も、聞いたはずなのに.....。

「あれっ!?」
仕上がってみたら、ずいぶん想像と違った。

「よい」要素を、全部、組み合わせたつもりなのに。
なんだか、想像よりも「もっさり」していて、ステキ感がない。
.....ショック。

このようなことが、けっこう起こります。



経験があっても、外してしまうことがある


革製品であれ、服であれ。
フルオーダーというものは、意外に難しいもの。

素材と色の組み合わせ。
形、仕様。
重さ、全体の感じ......。

「よい」を全部組み合わせても、想像通りには、なかなかならない。
フルオーダーを依頼することは、必ずしも「思い通りの、素敵な革製品が手に入る」ことと、イコールにならない。


それゆえ、デザイナーやパターンナーが、活躍しています。

「セミオーダー」や「フルオーダー」においては、オーダーをする側にも、革に関する知識や経験が必要。
その上、仮に知識や経験があったとしても、時に、だいぶ外してしまうのです。



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05 | 「セミオーダー」という、安全便利なしくみ

| 実は、すごい試作回数です。



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何度も、試作を重ねて。
糸の色や、ステッチの太さまでを確認して、仕上げています。
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「枠」があった方が、決めやすい


「よかれ」と思って、組み合わせたものが、外れてしまった。
そんな時のしょんぼり感は、想像に余りあります。

それゆえ、ONSA Yukkuri Store の注文方法は、「セミオーダー」。

「これだと、外さない」という枠を、あらかじめ作っておくのです。

その枠までは、ONSA Yukkuri Store の方で、あらかじめ仕上げておきます。

その上で、最後のひと振りの「好み」を、お客様に選んでいただく。
それが、ONSA Yukkuri Store の「セミオーダー」という方法です。



安全な選択肢の中から、選んでもらう


選択肢はたとえば、このような感じとなります。

そのデザインに合った、革色の候補の中から、好きな色を選んでいただく。
革と布の色を、好きな組み合わせで選んでいただき、自分好みの製品に仕上げていただく。

そんな自由度があるのも、何度も何度も、「型」の試作を行なっているから。

安全な選択肢の中での、自由。
それゆえ、安心して、ご注文いただけます。

それなりの値段を払って、大外ししてしまったら、しょんぼりしてしまいますから。


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何度も、試作しています


そんな「型」、つまりサンプルとは、どのようにして作るのでしょう。

説明するならば、こんな感じになります。

最初はまず、ざっくりとした大きさを、割り出してみる。
ところが、これが簡単なようで、なかなか難しい。

革製品の中には、用途から逆算して、大きさの決まっているものもあります。逆に、まったく大きさの予測が、つかないものもあります。

それゆえ、まずは、紙に近い素材で、試作品を作ります。
いうなれば、「『ファーストサンプル』の、そのまた試作」です。
この紙サンプルで、まずは、各パーツの大きさや、全体のバランスを見てみるのです。



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あれっ!? 想像と違う!


結果は、ご想像通り。
この段階においてすら、ほぼ必ず、何らかの直しが生じます。

次の段階の「ファーストサンプル」においては、この仮の紙素材が、本番と同じ、革素材に変わります。

そのことを、想像しながら......。ボリューム感や質感、重さなどが変わることを想定しながら、紙サンプルの大きさやバランスを、5ミリから1センチといった単位で、修正してゆきます。



オーダーとは、本来とても手間がかかる、高価な行為


そうして、だいたいの大きさや位置・仕様が決まったら。
次は、本番の革を使用した、「ファーストサンプル」を作ります。

そして、仕上がった「ファーストサンプル」を、しばらく使ってみるのです。



実際に使ってみると、いろいろなことが、分かってきます。

たとえば、想像したよりも、分厚い。
たとえば、想定したよりも、持ち手が長すぎる。
革が薄すぎて、へんなしわが寄ってしまう......等々。

「想像と、ちょっと違った」
そのような状況も、やはり、確実に発生します。

「ファーストサンプル」を試用してみて、使いづらいところがあったら。その情報を職人にフィードバックして、サンプルを直してゆきます。

サンプルは、場合によっては、「セカンド」「サード」......と続いてゆきます。



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「ファーストサンプル」が、実はとても高価!


ちなみに、この段階で
「やっぱり、想像と違った」
「やめます」
という状況になっても......。

一頭買い分の革1枚と、職人にわざわざ起こしてもらった型代・もろもろの手間賃は、すでに発生しています。
これは、職人がすでに負担している金額。

それゆえ、ここで「やーめた」という状況になっても。すでにかかっている分の費用全ては、全部、保障する必要があります。


これだけで、実は、相当な金額。
職人ひとりの時間と技術を、まるまる買って、専属で作ってもらう「セミオーダー」、あるいは「フルオーダー」。オーダー行為というのは、本来はこのように、とても高価でぜいたくな行為です。


製品としての、形が見えてきました


「ファーストサンプル」「セカンド」「サード」......。

長い時間をへて、やっと。
製品として出してもいい、素材や強度、バランスが割り出されました。
オーダーしても失敗のない、「使える」革製品になったのです。

この段階の革製品を土台にして、革の種類や色の組み合わせを、選んでいただく。
これが、ONSA Yukkuri Store の「セミオーダー」のしくみです。



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05 | 「セミオーダー」という、安全便利なしくみ

| ベストのバランス、適した素材



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大失敗をしない範囲で、楽しんでいただけます。
それが、途中まで完成した製品に対して、最終のオーダーをするシステム......「セミオーダー」です。
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「もうひと工夫」が、バランス崩れの原因にならないように


使用する革の種類や特性に合わせて、繊細に計算して作った「型」。
それなのに、素材やパーツの指定を変更してしまうと、強度やバランスが変わってきてしまう。


「持ち手を伸ばしてほしい」
「1つだけ、ペン差しをつけてほしい」
「この形で、別の革にしてほしい」
このようなリクエストに応じていないのには、こんな理由がありました。

「良かれと思って、そうしてもらったら、かえって使いづらくなった」
「想像した形に、ならなかった」
そんなことが、起こらないように。

何度も試した「型」に忠実に、最終の革製品を、起こしてゆきます。



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大失敗をさせないための、一定の「型」。それが、「セミオーダー」


決められた種類の革・布の組み合わせ。
一定の「型」......制限を、あえて設けている「セミオーダー」。

型があることで、お客様に、大失敗をさせない。
種類や型が限られていることにも、大きな意味がありました。



職人がひとつずつ、手で作る。
それゆえ質がよく、長持ちする。

その代わりに、決して安価ではない。
なぜなら、ひとつひとつの製品のすべての工程を、職人がひとつずつ、手で仕立てているから。

本来は、難易度の高い、オーダーという行為。

でも「セミオーダー」という安全な制限の枠があるからこそ、大失敗をすることから、守られる。
「セミオーダー」は、あなたと職人の距離を、一歩近づけます。

「安全な枠」という、工夫の中にあるからこそ。
高品質な革製品に、安心して手を伸ばしてみていただきたいのです。