ONSA Yukkuri Store WEB 上 革ファッションショー
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革の魅力って、なんでしょう。
革製品を目の前にすると、藤沢優月はだいたいいつも、そんなことを考えます。
「革の存在自体が魅力?」
「長くつきあえるところが、魅力?」
「自分色に染まってくれるところ……?」
「食用になった後の命をありがたくいただいているのが革なので、命の連鎖の中に入っていて、命を感じられるところ?」
「上のような理由だから、実は環境インパクトがものすごく少ないところ……?」
でも、けっきょくどんなに考えても、答えはいつも違う。
そして
……ワカリマセン!!
答えをひとつになんて決められなくて、つきあうたび、奥深い。
そんな革の魅力を、少しでもお届けできたら幸いです。
ONSA Yukkuri Store で取り扱っている製品の、Web上ファッションショーです。
革好き著者、藤沢優月がお届けします。
ではでは、どうぞご覧下さい。

→ コレ、なんだか分かりますか?
これは、藤沢優月のファースト『夢かな手帳』カバーです。
当時偶然知り合った革のデザイナーさんに、1こだけ縫ってもらいました。
これが縁になって、ONSA Yukkuri Store オープンにつながります。
ちなみにこの手帳カバーは、もともとが白です。真っ白でした。
でも、使ってゆくごとに「汚く/黒ずんで」くるのではなくて、表面の白がいい感じに経年変化して、革本来の茶色が内側から出てきます。
表面に入れてある色が落ちてきて、内側が見えてくる。
これこそ本当の、経年変化。

→ ね、時代がついてくる感じこそあっても、汚くないでしょう?
これが、革の質がいい証拠。
わたし、今の仕事(著者でありながらも、ちいさな革ショップオーナーでもある♪)をしていなくて、新商品を自分で持って試さなくてもよければ、ずっとこのカバーで満足です。
それぐらい、使い込んでいい感じになった革。
その「いい感じ」な具合を、丁寧に手入れして使うのが、革好きの醍醐味ですから。

→ というわけで、同じ革で作ってみました!
ONSA Yukkuri Storeで「クリスマス限定品」として販売している「スノウホワイト」です。
これは、藤沢優月のファースト手帳カバーと同じ、記念すべき革で作ってある製品。
ホワイトだからって、心配しすぎなくても大丈夫です!
白だけど、キタナクならないから大丈夫。
まるで時代がつくみたいに、ゆっくりと経年変化してゆく革です。

→ じゃん♪
私は20年来の林檎一族。
「アップル? なにそれ?」と言われていた時も、「アップルって、変わった人しか使わないよね〜」って言われていた時も。林檎会社がつぶれそうで、サポートダイヤルがフリーダイヤルでなくなってしまった時代も、わたしは林檎一筋。
おかげで、実家の部屋はまるで、林檎博物館みたいになっています。
歴代の愛しいアップルを、下取りになど出せない……。
林檎博物館には、林檎マーク入りのプリンタやスキャナもあるよ♪ 人生ではじめて買ったノートパソコン(林檎)なんて、厚さ7センチ重さ5キロぐらいあります。ちなみに、そのノートブックのメモリは16メガバイトです。いや、書き間違いではないです。
今なら、高解像度の写真1枚たりともインストールすることができない……。
今や、スマートフォンの時代になりました。そして、アップル社製品、ご愛用いただいていますか?
なかなかいいでしょう〜アップル。
というわけで、作ってみました!

→ じゃん♪
iPhone 3Gケースです。しかも、エルメスと同じ革「H(アッシュ)」で作ってみました。
品がいい感じで、いいでしょう?
このケースはもう販売終了なのですが、私はまだ iPhone 3Gから乗り換えていないので、現役です。
これはもちろん、革製品なので衝撃吸収の機能はない。
ただ、いちアップルユーザの個人的な意見なのですが、液晶画面はごっつり落としたら、どのみち終わりだと思う。ごっつり落として全く被害がないなら、そもそも液晶(ガラス質)ではないし。
そして、そんな状況の中でもアップルは、すごくいい素材と、賢い処理の仕方をしているので、簡単には壊れない感じがする。
実際に私は、……大きな声では言えないけれど、iPhone だって落としてるし、ノートタイプで何度もやらかしているけれど(ノートが宙を舞ったことは、ブログにて告白済み)、アップル製品は本体が意外に屈強です。
……私はユーザ歴が長いので、落とすにもコツをつかんでいるのかも(汗)。
アップルの製品は、デザインが華奢に見えるけど、実はものすごく考えられていると思う。
たとえば本体に継ぎ目なしのアルミニウム合金を使っていたり、チタニウム合金の時代もあったし……。とにかく、良く考えて作ってあると思います。
ここまでしていたとしても、やっぱり落としたら終わりだと思うから、アップルを信じ、思い切って「H(アッシュ)」でカバーを作ってみました。
その結果ですが、革は「衝撃吸収」なんておおっぴらにうたえなくても、衝撃は確実に吸収しているなと感じました。
その証拠に2011年冬、いまだ 3G 無傷で現役です! 修理もナシ。

→ じゃん♪
真っ赤が可愛い、Italia 革のレターケースです。
「あれ? なんで2個あるの?」
とお思いの方。
サンプルですよ、サンプル。
ちょっと、見てみてください。よく見ると……。

→ 微妙に高さが違うでしょう?
ONSA Yukkuri Store の革製品は、わたし藤沢優月が実際に使ってみて、「オッケー!」と思ったものだけを販売しています。
また、藤沢が日常生活の中で、実際に使っているものだけを販売しています。
というわけで、試しに使ってみて、よりサイズ感のよい方を皆さまにお分けしたのでこうなりました。
このサンプルも、最初に丈の低い方を作ってみて、「もう少し上げた方が……」ということで。
丈を上げたサイズの方(少しだけ大きい方)が、いま販売されているサイズです。
この「Italia シリーズ A5レターケース」は、クリスマス限定の商品です。
なぜ、クリスマス限定なのかと。
それは、あまりにも革がよすぎて、通常販売にしていると、大赤字になるからです(笑)!
ですので、年に1度のお楽しみです。
よい革を、ぜいたくな取れ面積を使ってお届けしています。

→ というわけで、藤沢のレターケースの中には、どんなものが入っているのか、覗いてみましょう!
藤沢の場合は、順当に、お手紙用品を入れています。
お礼状などを書きたい場合は、これを「サッ」と持って出ればいいように、切手まで入っていますよ。
万年筆とインクも、ついでに入れてしまおうかしらと思うぐらい、収納力があります。
(万年筆を入れる際は、インク漏れに注意してね。藤沢は、万年筆ケースに入れています。)
ちなみに、ちょっとした作業用のマスキングテープ、ラベル、おしゃれな付せんも入っています。
まとめて持って出れば、作業もはかどります。

→ ばいーーーーん。
こ、これはひどい。
ファイル自体が、デブっている。
コレ、リアルに ONSA の領収証入れです。
年度末にもなってくると、書類が溢れてくるわけなのです。
でも、でも特になのですが、この手の書類は絶対に落とすわけにはいかない!!
というわけで、こちらのご登場です。

→ 落とすわけにいかなかったら、掴んでおいてもらったらいい。
「手帳バンド grande (A4用)」です。
もうこれ、便利〜。
ONSA WORKSHOP の現場で、ワークショップ用のファイルをくくってあるの、見られた方もあるかもしれません。
A4サイズは、世界共通のサイズ。
当然、出番も多くなってきます。
藤沢にとっては、何本でも欲しいバンドです。

→ そのまま、トートにすぽんと入れてしまえば、書類落ちの心配なし。
リアルに「領収証」って書いてあるでしょう(笑)?
本当に領収証用なんです。
「手帳バンド grande (A4用)」、まだお試しになったことのない方は、ぜひ一度お試しください。
おしゃれという役割を越えて、書類抜け落ち事故の防止にも、本当に役に立ちます。

→ そんなトートの中から出てきたのは……。
じゃん♪
白いボタンが美しい「手帳バンド bottun ホワイト」 + 「H(アッシュ)」の通帳ケースとパスポートケースです。
繰り返しになりますが、売っているもの、本当に全部使っている勢いです。
だって、便利なんだもんね。

→ こんなダーク系……H(アッシュ)だけでなく、Italia のジェントルグレーや bisonte のワイン。
シックな色の革には、白いボタンが可愛いと思いませんか?
しかも、子どもっぽくなくて、大人可愛くなってくれるので、本当に重宝。
またまた同じコメントになってしまいますが、書類の抜け落ち防止にも役立ちます。

→ しかもこれが、本当にねえ、すごい収納力なのです。
これらをそれぞれ、バラバラに持っていたとしたら、カバンの中がごちゃごちゃになると思うの。
しかも、通帳とかパスポートみたいな大切なものを、ごちゃごちゃに持っていたくない。
無くしちゃったら、手続きの方が大変ですものね。
だから持ち歩くときは、まとめておきます。
ほぼ毎日使うものだから、こういうトコロには投資してもいい。……というのが革好きの考え。

→ そして、これが1代前のもの。
私の愛をさんさんに受けた、Italia の通帳ケースとパスポートケースです。
私はいま、使用実験も兼ね「H(アッシュ)」を持ち歩いていますが、ずっと Italia 派でした。
これは実際に、3年ぐらい使い込んだやつ。
すごくつやつやして、いい感じでしょう?
色が目立つから、カバンの中でも迷子にならないし、第一すごく、大人可愛い。

→ そして元気なハートピンクには、やっぱりシックなヌメ色(手帳バンド bottun ヌメ)が合うと思いませんか?
ああ、これこそ日用の美。
前にも言ったように、もし私に「使い試す」という役割がなければ、あと6年ぐらいこれで大満足。
本当に質のいい革は、人間の手の天然の油脂だけで、勝手につやつやしてくれるので、日用品はぜひ革で。
この Italia ハートピンク、実は1度もラナパー(すぐ下で後述 ↓)していなんですよ。
それでもこの艶ですから、質のよい革は、とてもつきあいやすいです。

→ というわけで、ラナパーの話題が出てきました。
「ラナパー」とは何かというと、天然のミツロウとホホバオイル成分でできた、超高品質な革のお手入れクリームのことです。
ONSA Yukkuri Store では、このラナパーのミニサイズをつけた「革製品お手入れキット」を販売しています。
「革製品お手入れキット」の外側は、いまでも両方扱っています。
ボタンつきが好きな方と、薄い方が好きな方がいらっしゃると思いますので、選べるようにしています。
お色の方は、今はワインのみ。
向かって右のオレンジ色は、限定色なので終わってしまいました。
私はといえば、キットを2つ持っています。
ひとつは出張セットに入れ、もうひとつは、玄関の靴棚に置いておきます。
そして「はっ!! 今日は雨予報だ!! でも革靴だ」という時に、お手入れキットをカバンに入れて出かけます。

→ なぜなら、このラナパー。ちょっとぐらいの雨なら水はじきしてくれるので、臨時の革製品雨よけとしてぴったり。
革メンテナンスのプロから聞いたのですが、市販の雨よけをかけてしまうと、革クリーニングが非常に難しくなるのですって。雨よけの化学成分が汚れごとコートしてしまうので、汚れを取ることが、ほぼできなくなる。
だから私は「雨よけコートは、できるだけ、かけないで。(特に、高級な革であればあるほど。)」と言われています。
そんな事情もあり、不意の雨は、このラナパーが本当に便利。
スポンジ(2011年モデルから、順次仕様変更になっています)ですが、販売用のキットには、念のためスポンジ入れのPP袋をつけています。
でも私はといえば、入れないです。
上の写真のように、有り合わせの布(この白いものは、デニムについてきたタグです)でくるんで、ぽいっと入れておく。私には、それでじゅうぶん。
(* くるまないと、ラナパーが内側からしみて、「お手入れキット」の外装が勝手にお手入れされちゃうと思います。ですので、何かしらにはくるんで、ラナパーを遮断してね! ちなみにこの布を選んだ理由は、ごわごわしてぶ厚いから。)
そんなラナパーですが……。

→ gren さんと私が通称「ラナパーおじさん」と呼んでいる方がいることを、ご存知でしょうか。
それがこの方。
ラナパー取り扱い先・(株)花田の岸塚会長様です。
私はラナパーが大好きなので、ラナパーおじさんも好きです。
見てください、輝くような、この笑顔!!
(さすがラナパーを扱っているだけあって、終始つやつやなんでしょうか♪)
ただね……。
ONSA の製品のクールさとは、ちょっと路線が違う感じじゃないですか。
というわけで、ONSA Yukkuri Store では、gren さんが梱包しなおした後の製品(ラナパーおじさんナシ)を、出荷させていただいております。
ラナパーおじさん、ゴメンね。
出荷時に、ちょっとした裏切りがあるけれど、でも製品はがっつり使ってるから!

→ ホント、がっつり使ってます。
これが、革好き・藤沢ががっつり使っている、ラナパーの大ボトルです。
大ボトルを薦められ、2本セットで買いました。
たくさん、たーーーーくさん使っているのに、7年ぐらいはもっている。
あ、ちなみに私、ラナパー社ともラナパーおじさんとも、なんの姻戚関係もありません。
革製品のお手入れクリームですが、たとえばカンが可愛いのとかいろいろあるけれど……。でも、1年ぐらいすると、微妙にクリームが乾いちゃったりとか、二度拭きしないといけなかったりとか。
要するに、いろいろめんどくさいですよね。
その点このラナパー。
大ボトルの中身は、7年たっても、買ったときとほとんど変わらない状態だし、お手入れ初心者でも上級者でも使いやすい使用感。
だから、姻戚関係がなくとも、ファンになってしまう。
そんなわけで、わざわざミニラナパーを探して、お手入れキットにセットさせていただいています。
セット内容は「ミニ」でも、実力ありますよ!
まだラナパーを試したことのない方。
すぐ使えるように、ONSA では布やスポンジを一式セットにしてありますので、ぜひ一度ラナパってください。
本当にオススメです。

→ じゃん♪
見てください!!!
写真を見ているだけで「はわ〜〜♪♪」となってしまうぐらいの、革の十二単状態。
革好きの私は、見ているだけで、ものすごい幸せな気持ちになります。
これは、bisonte シリーズの手帳カバーです。
いちばん上が、ワイン。
その下2枚が、オレンジフラワー。
下2枚がベーシックブラウンで、最後の1枚(いちばん下)が、ピュアキャメル(現在廃番)です。
柔らかな夜の灯りの下で見ると、こんな色です。

→ 見てください、この艶。
ツヤツヤです。これが、革の底力。
bisonte は本当に革らしい革で、皆さんが「革」といった時に、いちばんにイメージする革です。
ONSA は質のいい革でお届けしているので、使ってゆけばゆくほど、こんなにツヤッツヤになります。
「うわー、つやっつや!」みたいにしたい方は、bisonte にかぎりますと、ラナパーをガシガシ塗りこむことがオススメです。栄養をもらって、すくすく育ってゆきますよ!
ところで。
上の写真のステッチ(縫い目)を見て、お気づきの点はございませんでしょうか。
そうです。
最後の1枚(いちばん下)だけ、ステッチの具合が違いますよね。

→ 取り出して、比べてみましょう。
茶の方は背にステッチが入っていて、キャメルの方は入っていません。
「背」の部分の処理の仕方が違うのです。
革は布みたいに、端処理をしなければならないというわけではない。
ほつれてこない素材だから、便利です。
そんなわけで、gren の安田さんが「こんな端処理もできますが……」とサンプルを作ってくださったのが、ステッチなしの方。
さすが、職人さん。端処理のバリエーションが広いですね!
gren さんのデザイン力は、それは素敵なものがありまして、さすが都内有名セレクトショップにカバンを卸しているほどなのです。
が、キホンは職人さんなので、技術がしっかりしている。
gren さんにお世話になってしばらくになりますけれど、革製品が本当にしっかりしていて、長いことつかっていても、型くずれがしないんです。
(そうじゃない革製品を使ってみると、技術の差に、愕然とするはず。)
だから「H(アッシュ)」みたいな高級皮革をお任せしても大丈夫。
gren の安田さんは藤沢と同じ年なのですが、30代なのに、嫌みなくデニムのロールアップが似合ってしまう素敵男子です。
とはいえ、この bisonte 革。取り扱いを間違うと、うっかりしたことになります。
bisonte は万能な革ですので、デザインによって、おしゃれになったり、オッサンぽくなったりします。
そんな bisonte を、ONSA では「かろやかに」出したいので、ステッチは必須。
というわけで、
「安田さん。うっかり間違うと、オッサンカバーになってしまうので、その処理はない方向で。」
ステッチ無しの背処理は、謹んでお断りしました。
想像してみてください。
「ステッチなし」で「茶色」だったら、ちょっとオッサンくさくない(笑)?
ということで、「ベーシックブラウン」ユーザの皆さま、安心してください。
ONSA の bisonte はステッチが入っているので、どれも若々しく、シックに使えます。
私は茶好きなので、bisonte の茶は、王道でいい茶だとおもいますよ〜。
もちろん、他製品に多用しているワインも、キャメルっぽいオレンジフラワーも、人気です。

→ じゃん♪
おつぎは、Italia シリーズです。
「えっ? いつの間にカラーバリエーション?」と思うでしょう?
でも、上から「ハートピンク」「ナチュラルサンフラワー(2枚)」「ジェントルグレー(2枚)」です。
Italia 革は、こんなに色変化があるのだとお伝えしたいのでした。
ハートピンクは使用後2年ぐらい。
何度も言いますが、そのまま何年も使いたいです。
オレンジフラワーも、上が使用歴1年ぐらいで、下が半年ぐらい。
手の天然の油脂で、ぜんぜん色が違うでしょう?
ちなみに、ラナパーはかけていません。

→ ジェントルグレーは、上が使用して数ヶ月、下が年単位のものです。
革っておもしろいですよね。
本当に、一緒に育ってゆきますから。

→ ちょっと近づいて見てみましょうか。
Italia シリーズの特徴は、このデリケートなシボ(凹凸)です。
高級な質の革であるのに、このシボのおかげで、リズムがついて若々しく見える。
だから「背」の部分も、ステッチ処理していません。
1周ステッチ処理してしまうと、逆に、子どもっぽくなってしまう可能性があるから。

→ ステッチ処理をしていなくとも、gren さんの革処理は、本当に信頼できる。
革も、強い部分と弱い部分があって、革の「目」を読んで取っていかないと、ひどいことになる。
たまたまステッチ処理をしていないところに、革の弱い部分がきたら……。長くなんて、使えないですよね。
ステッチをかけて縫ってある部分も、ただ縫われているだけではないんですよ。
何年でも……それこそ何十年でももつように、革を留めて角をやすりで処理して……。だから、安心して経年変化を楽しむことができる。
「古くて、何だかうす汚くなっちゃった」にはならないんです。
最近ちょっと何か……と思ったら、ラナパー(あるいはお手元の栄養クリーム)をがっつり塗り込んであげてね。
良い革なら、きちんと復活しますから。

→ この Italia シリーズ。すごく柔らかい革質だけに、うっかりこういうコトにだけは気をつけて。
カバンの中で、他のモノとけんかしちゃって、へこみが。
こうなったら、残念だけど戻りません。
それは、どの革製品でも同じ。
もしこうなってしまったら、その時は思いっきりラナパーを塗りこんで、へこみも味にしてしまおう。
それができるのが、革のよいところ。

→ じゃん♪
なんでしょ、コレ。
さすがに、iPhone ケースではありません。
これは、幻のサンプルです。
市販されていないし、される予定もナシの、本当に幻。

→ その正体は、RHODIA カバーでした!
いや、あったらお洒落だな〜と思って、試作してみたんですよね。
おしゃれ男子・gren の安田さんも、試作に大ノリな感じでした。
でも……。
途中で冷静に気づいたんですよね。
ONSA Yukkuri Store の顧客の9割9分は女子。そして、女子は RHODIA あまり持たないかも。
「コレ、男子向け製品でしたね」
ということで、試作終了。
藤沢も、心はかなり男子が入っているので、違和感に素で気づきませんでした。

→ そんな「RHODIA カバーの一件」から、藤沢も少しは考えるようになりました。
いやいや、アタシは女子だった。
しかも、お客さんのほとんども、女子だった。
それなら「これは贅沢だ! 女子の夢だ! 実用をはるかに越えて、まずは外見から行ってみよう!」……と作ってみたのが、「Charm me ! シリーズ」です。
手帳カバーに、アクセサリーの要素を持ち込んだのでした。
名づけて、「手で持ち歩くアクセサリー」です。
なにせ、ONSA 的には新しい発想なので、けっこうな長期間持ち歩いて実験しました。「実用をはるかに越える」とは言っても、使いづらかったら、ONSA 的にはイヤですし。
その結果、可愛いものが完成!
本来であれば、ここに「スカンジナビアン・マスタード」という色があるはずなのですが、去年の「『夢かな手帳』クリスマスハッピープロジェクト」で、プレゼントしちゃった。
商品在庫も、もうない。
サンプルもない。
だから、本当に、もう存在しないんです。
くうっ。……い、いい色だったのに。もう、本当に幻になってしまいました。

→ そんな「Charm me ! シリーズ」も、最初のチャームはこんな感じでした。
チャーム制作は Sipilica さん(現役のアクセサリーデザイナーさんです)にお願いしましたので、これでも十分可愛い。
でも、
「いやいや、もっと可愛くできる!!!」
Sipilica さんがビーズを付け加えてくださいました。
さすがデザイナーさん。ぐっとカラフルに。

→ 正解。
やっぱり、こっちの方が可愛いよね!

→ この「Charm me ! シリーズ」はもう、在庫が風前の灯火で、なくなったら終わり。
そんなカラーバリエーションの中で、やっぱり私がけっこう好きなのは、渋い色。
だって、飽きもこないし、シックで綺麗でしょう?
質のいいペンとか……それこそ、銀製のペンとかと合う気がする。
これぞ、本当の「大人可愛い」ですね。
ちなみに……。
この「Charm me ! シリーズ」には、本当に苦労させられました!
……といっても、革好きだけに、嬉しい苦労ですけどね。
gren 安田さんと ONSA 藤沢は、この「Charm me ! 」を買ってくださる方は、革初心者が多いに違いないと想定しました。なぜならデザインが可愛いし、アクセサリーみたいだから。
革そのものの質にこだわる方というよりは、むしろ「可愛い!」で買ってくださる方が多い(だろう)。
ということは、「お手入れしてください、その方がもちますよ!」と言っても、わざわざお手入れ用品は買わないだろう。
ということは、いっそお手入れ用品も、(簡易だけど)つけてあげた方が親切……。
「買ったら、勝手にしてくださいね!」とできないのが、革好きの泣き所。
出荷する革は、自分の子どもみたい。私たちは、見守る親みたいな気持ちですもの。

→ というわけで、お手入れに必要な消しゴムを、最初からつけることにしました。
それが、画面下の2つの種類の消しゴムです。
ピーナッツくんはまあ良いとして、白い方(業務用消しゴム)には、実は逸話が……。
「なんか良い、お手入れ用具ないですかね〜」
と言ったところ、gren 安田さんがお送りくださったのが、上の用具。
ゴムベラとはけが合体した、すごい用具です。
「これ、業務用です。よく取れますよ。お値段も安いです」
見つかった中で、いちばんマシなのが、これでした。
でも……。
「いや。一応イメージもありますし、手に取ったお客様にも、『わあ♪』と思っていただきたいので。これじゃあ『ワッッッ!!』になっちゃいますから。ですので、すごい存在感のゴムベラは、ナシの方向で。」
( ↑ 冷徹優月。)
最終的には gren さんが、業務用の超強力白消しゴムを必要な大きさに切って、同封してくださることで一件落着。
革職人なのに、ゴムを切ったりスワロをデコったり(後述)、ほんとスミマセン。
何から何まで、ONSA Yukkuri Store のお客様用のカスタムメイドとなっております。

→ そして、ついに来ました。
「H(アッシュ)」つまり、エルメスと同じ革のコーナーです。
いちばん上が2012年モデル、その下のパープルが初代。品のよいベージュが2代目(2010年モデル)で、オレンジが2011年モデルです。
この革についてはもう、語ることもないぐらいです。
代わりに、エルメスを訪問してみてください。
「ほわ〜」となるぐらい、革がオーラを放っております。
ちなみに、オレンジに手帳バンドが2こついているのには、わけがあります。
標準仕様で、2こついているわけではありません。

→ ズームアップしてみると、正直大きさがちょっと違う。
上の方が、2011年モデルオレンジ(siena 2011)につけたもの。
下が、「手帳バンド FULL MOON」として、一般販売されているものです。
H(アッシュ)ユーザでなくとも、誰でも買えますよ!
大きさを少し小さくして、みんなにも使ってもらえるようにしました。
満月が少し小さくなった理由は、1周小さくしないと、コストがものすごいから!
使っているのは、パチものじゃなくて、本物のスワロフスキー。
それを、gren 安田さんが一粒ずつ手で貼っているという、信じられない贅沢をしているのです。
(この瞬間だけ、安田さんは、デコ職人になった気持ちがするそうです)
ちなみに貼り終わった後は、表面を消しゴムでこすったりなどして、はがれ落ちテストを。
スワロに傷がつかないようにテストして、摩擦に耐えたものだけ出荷となります。

→ にゅん♪
bisonte のレターケースもありますよ!
こちらはちょっと小ぶり、持ち歩きに便利な A6 サイズです。
ワインが通常販売用、オレンジは限定色で(販売終了)です。
こうしてみると、bisonte はやはり、革の王様!
キングです、キング。
つやつやしていい革ですね。良いたたずまいです。

→ そして藤沢の日常遣いは、本当は、こんなにぷっくりしています。
(ひとつ上の写真は、撮影用に、中身を取り出してみたのでした)
中には、何が入っているのでしょう……。

→ 出してみました。
こちゃこちゃとした電子機器が、いっぱい入っています。
今はいろんな電子機器が、日常的に必要な時代。でも、ちょっと油断すると、すぐカバンの中がごちゃごちゃしちゃいますよね。
特に、旅の時なんてそう。
私は出張が多いので、これぐらいの電子機器は、常に持ち歩きです。
これはもともとレターケースなのですが、収納力も強度も抜群なので、もちろんこんな使い方もアリ。
私はこんな感じで、イタリアにもアメリカにも行きました。
何かと荷物の多くなる移動の時に、こんな風に何にでも使えるケースが1つあることは、とてもオススメ。

→ な、何の集会ですか……。
と声をかけたくなる、「手帳バンド bottun ヌメ」の大集合。
この手帳バンドは本当にベーシックなので、何にでも、どんなシーンにも合います。
そうして私はここ数年で、これぐらいの数を使ったのでした。
『未来日記』と、その時読んでいる本を一緒に留めたり、通帳ケースとパスポートケースを一緒に留めたり。
使っていたら、あっという間にこんな数に。
ヌメ色がどんどん深くなりますが、ゴムも意外に伸びず、全員まだまだ現役です。

「売ってるもの、本当に全部、使っているのですね……」
そうです。
自分が便利だと思っているし、いいと思っているので、安心してお勧めできますよ!
最初は、自分用だけ作って使っていたら、お仕事先で会う人やお友達に「あれっいいねそれ!」と言われるようになり、販売を始めました。
だから ONSA Yukkuri Store は今でも、ゆっくりで小規模です。
「安く、ドカンと!!」ではなく、本当に腕のいい職人さんが、ひとつずつ丁寧に手作りすることを、とても大切にしています。
そんな革製品は、一度使ったら手放せなくなる。
そして、良質な革はずっと使えるので、手放さなくても大丈夫!
ぜひ一度、ご利用になってみて下さい。
あなたのお気に入りの革と、出会ってくださいね!
2011年 初冬
藤沢 優月
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銀座吉田さんインタビュー 逸品文具との出会いの旅
銀座吉田株式会社さんは、ONSA にbookdarts(ブックダーツ)を納品してくださっている会社さん。
ブックダーツの他にも、素敵な文具を取り扱っていらっしゃる、卸元さんです。
文具にまつわる、どんなストーリーが聞けるのでしょう。
銀座吉田株式会社の山野さんに、藤沢がお話をうかがってみます。

銀座吉田さんといえば、私(藤沢)が愛用している文具の多くを輸入している会社さんです。本当に奇遇なのですが、私の愛用品は、銀座吉田さんのお仕事にきわめて依存しているんですよ!
たとえば、学生の頃(はるか昔)に買ったレシーフのペンも、銀座吉田さんの輸入品。……思い返せば、このペンの修理のご相談でご縁をいただいたんですよね。

銀座吉田 山野:
そうでした。ものすごいマニアックなペンを持っていらっしゃったのでした(笑)。あまりにも昔の型なので、修理に必要なパーツが違っていたんですよね。
このペンですが、レシーフという、フランスの会社の製品です。
ボールペンや万年筆を作っていて、インクカートリッジは詰め替え式。そしてこのレシーフ、外側の筒(本体)に特徴があります。
外側の筒(本体)の素材はセルロースというものでできているんですけれど、それを全部、手作りで作っているんです。
ですから、たとえばカラーが「黄色」だとしても、柄というか……マーブル模様の出方が全部違う。
世界中に、ひとつとして同じペンがないのが、レシーフのペンなのです。
だからでしょうね。
本当に根強い人気があります。
「他の人と同じは、イヤ。」
いかにもフランスらしいストーリーですね!
そして、じょうぶです。私の最初のレシーフなんて、そろそろ20年になりますけれど、まだまだ現役ですもの。

銀座吉田 山野:
それは、物持ちがいいですよ(笑)。でも、ヨーロッパの人たちの基本的な発想は、「物持ち」ですよね。
使い捨ての文化じゃないでしょう。
正直ペンの話をすれば、書き味自体は、日本のペンが最高ですよね。
向こうでは、あの、使い捨てにできるような大量生産のゲルペンを、ヨーロッパの本屋さんなんかで、何倍もの値段を払って買うわけです。
でもね、ペンとかカバンとか財布とか、毎日使う身の周りのものは、それと一緒に過ごす時間も長いでしょう。
日常の一部、……もっと言えば「自分の一部」になります。
それと一緒に過ごす時間が、自分の人生の時間になるわけです。
だから、ヨーロッパの人は「自分らしさ」を求めて、自分だけのペンを持ったりするんでしょうね。
レシーフは、そんな空気感が、抜群にする感じのペンです。
ONSA(弊社)のサイトでは、レシーフのペンは扱っていません。
どうやったら買えますか?

銀座吉田 山野:
路面点なら、たとえばバーニーズ・ニューヨークさんで扱いがあります。あとは、インターネットでしょうか。
インターネットで「レシーフ」と打っていただければ、取り扱いのお店がヒットしますよ。
弊社は直販はしていませんので、扱いのあるお店を探してみてください。
ちなみに、レシーフのデザイナーさんのお顔は、弊社のサイトで見られます。
http://www.ginzayoshida.co.jp/recife_top.htm
あら、ハンサム2人組です。
ONSA のサイトをご覧いただいている方も、自分の時間にこだわりのある方が多いと思います。ぜひ、自分だけのレシーフに、出会ってほしいですね!
ところで、今や大ブームの感があるモレスキンノート。
あれも、銀座吉田さんがそもそもの輸入元だったのですよね。

(* 今や藤沢の著作として市場に出ている『未来日記』(武田ランダムハウスジャパン)も、モレスキンノートに何度もお世話になりました! 上は『未来日記』になる前の、現物「未来日記」ノート@モレスキンです。)

銀座吉田 山野:
そうです。モレスキンノートも、弊社が発掘しました。発掘したというより、おみやげでもらって「なんだ、いいノートだな……」みたいな(笑)。
今は事情でお取り扱い先が変わっていますが、すごく良いノートだと思ったのです。
今でこそ、無印良品さんなどに代表される、生産主の気配を消したノートは、たくさん出ています。
モレスキンノートは、その走りも走りですよね。
もともとフランスの会社が売っていたのが廃盤になって、それを、イタリアのミラノの会社が復刻しました。
大人が持てて、紙質も良くて、携帯性にも向いている。
メモも書けて、日記にも良くて、旅行記を書くのにもぴったり。
もともと、ゴッホやピカソ、ヘミングウェイが使っていたというものを復刻したわけですから、特別感のあるシーンに使うのはぴったりですよね。
そんなノートを、日常使いに持つというところに、こだわりがあるのでした。
こだわりと実用性をしっかり兼ねているところが、本当の意味でおしゃれなのだと思います。
他社さんではありますが、モレスキンノートの歴史が、ここにまとまっています。
http://www.moleskine.co.jp/Moleskine-World/Moleskine-History
「実用性」といえば、「ホワイトライン」も秀逸ですね!
この商品の存在は、北欧デザインの雑誌で知りました。「見かけたら使ってみたいな〜」と思っていたら、なんと。
これも、銀座吉田さんが輸入している商品だったのですね。

銀座吉田 山野:
「ホワイトライン」とは、グレー地に白のグリッド線が入っている文具シリーズのことを言います。通常市場に出ている文具は、だいたいが、白地にグレーの線ですよね。
でも、この「ホワイトライン」は、通常とは逆のグリッド。うすいグレー地の紙に、白い線が入っています。だから「ホワイトライン」。

(* よーく見てみてください。白いラインが横切っているのが見えますか?)
これが、使いやすいんです。
何がいいかというと、アイディアが最高。
そのアイディアに、北欧のデザインが結びついたところが最高です。
なぜ、グレーと白が逆になっているのか。
ファックスやコピー(モノクロ)には、うすいブルーやグレーはうつりませんよね。
その特性を活かして、地色をグレー/罫線を白で入れた商品が、この商品です。
つまり、使う側にしたら、罫線(グリッド)に沿って、縦にも横にも自由自在に文字も書ける。
罫線になっているから、線も引きやすい。
曲がりにくい。
手書きでサラサラと書いても、曲がらないで綺麗に書ける。
書いたあとは、相手先にファックスしても、うすいグレーの下地はうつりませんから、綺麗に並んだ文字や図形だけが、相手に送信されるわけです。
コピーでも同じ。
コピーされた先の紙には、下地の罫線(グリッド)はうつりませんから、綺麗な手書きの文字や図形だけが、コピーされるわけです。
人間の手って本当にすごくて、ものすごいハイテクノロジーですから、作業がいちばん早いじゃないですか。
だからでしょうか。
この「ホワイトライン」、デザイナーなどに愛用者が多いです。
ちなみにうすいグレーは、白紙より光の反射が抑えられるので、目も疲れにくいです。
また北欧らしく、環境にも配慮した製品になっているんですよ。
日本語のページは、弊社のサイトにあります。
http://www.ginzayoshida.co.jp/Whitelines_story.htm
海外のサイトはこちらです。
http://whitelines.se/products/
日々仕事をしていると、やっぱり時間って惜しいじゃないですか。
その時サラサラ取ったメモを、後でそのまま使いたいこともあるし、いちいちパソコンで作り直したくない。
そんな時、この「ホワイトライン」は本当に便利です!

銀座吉田 山野:
北欧らしい、日常とデザインの融合ですよね。スゥエーデンのオロフ・ハンソンさんという方が、デザインしました。
世界中から、本当に良質な文具を探してくる「達人」な銀座吉田さん。
これからは、どんな商品を探してきてくださるのでしょうか。

銀座吉田 山野:
私どもがこだわっているのは、「シンプルで、使い勝手が良い。工夫されていて、あきがこない」です。これからも、人の手の温もりがあるような、こだわりのあるような、ちょっと変わった商品を探してきたいです。
それを作った人のこだわり、使う人のことを思いやる気持ちがあらわれているような商品が、私どもは好きです。
誰かのこだわりや、他の人を想う気持ちから生まれる商品は、別の言葉で言うなら、多くの人に必要とされる商品です。
つまり、長い時間を持ちこたえられるんですよね。
それは、私たちの暮らしにとても良いような気がしますので、そんな商品を探して、これからもお届けしたいと思っています。
【記事制作】
協力 銀座吉田株式会社
http://www.ginzayoshida.co.jp/
インタビュアー・文責 藤沢優月
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銀座吉田さんインタビュー bookdarts のこだわり!
銀座吉田株式会社さんは、ONSA にbookdarts(ブックダーツ)を納品してくださっている会社さん。
ブックダーツの他にも、素敵な文具を取り扱っていらっしゃる、卸元さんです。
文具にまつわる、どんなストーリーが聞けるのでしょう。
銀座吉田株式会社の山野さんに、藤沢がお話をうかがってみます。

キラリと光る逸品、「bookdarts」のストーリーを、ぜひ教えてください!

銀座吉田 山野:
ブックダーツは、今でこそ、日本全国の雑貨屋さんで広く見られます。さぞ大きな文具メーカーが作っているかと思いきや、実はアメリカの小さな工房で、個人経営で手作りされているものなんですよ。
ボブさんとジャネットさん夫妻を中心とした、家族でやっているんです。
そもそもの発案者であるボブさんは、元・高校の先生。
ブックダーツを作り始めた時は、なんと現役の先生だったんですよ。
きっかけは、こんな風です。
ある日ボブさんは、兄弟であるノーマンさんに、とある文具を見せられました。
「この金属製のページホルダー、ページをうまくはさまないんだよね〜」
医学書を読むノーマンさんは、ボブさんが金属をいじったことがあるのを知っていて、「ページにきっちりと留まるページホルダーを作ってくれないか?」と依頼してきたのです。
その時はそれで終わってしまったのですが……。
後にボブさんは、ご両親がお亡くなりになった時に残してくれたささやかな遺産で、プレス機を購入。
そして、ページホルダーを作ってみます。
最初のユーザは、ノーマンさん、そしてボブさんが教えていた生徒さんです。
ですから、そもそもブックダーツは、彼が内輪のために……自分の教えている生徒の朗読授業に役に立つように(!)と作ったのでした。
授業ですから、覚えておいてほしいセンテンスに印をつけたり、終わったページにマークをしたり、マークをしたまま教科書を交換したり……。授業中にこのブックダーツが、すごく役に立つわけなのです。
ところがそのうち、生徒の両親が「これはいい」「クリスマスプレゼントに贈りたいわ」ということになってゆきます。
求めに応じてプレスしてゆくうちに、雑誌の会社から依頼をもらい、うっかり受け、まさに家族総出でブックダーツをプレスしないと間に合わない状態に(笑)。
奥さんと2人の子どもも巻き込んで、どんどん家内制手工業みたいになってゆきます。
そういう経緯を経まして、1992年から、市場で販売されています。
ブックダーツ黎明期の頃……まだ本格的に販売されていなかったころ、生徒はよく言ったものだそうです。
「これは、留めたいところにぴたっと留まって、かつ本を傷つけない『唯一の』ペーパーホルダーだよ」
って。
この家族は今も、ブックダーツのみを手作りしています。
こうやってルーツをたどってみますと、製品に温かみがあるのもうなずけますね。
英語ですが、こちらにサイトもありますよ。
http://www.bookdarts.com/
そして、おそらくこれが、例の最初のプレス機ではないでしょうか。
「オリジナルのプレス機」と英語で書いてあるので、伝説のプレス機だと思います。
http://www.bookdarts.com/shop/pc/who_are_we.html
なるほど。それで必要最小限、実用主義、シンプルで優秀なんですね。
そもそも、(意図していないとはいえ)学校用なのですものね。

銀座吉田 山野:
デザイン優先というよりも、実用優先ですよね。素材について、お話しさせてください。
このブックダーツ、素材は基本的に銅(ブロンズ)ですから、空気に触れると次第に変色してゆくんです。ですから、初期の時代のブックダーツなどを見学させてもらうと、はかなく変色しているものもあるんですよ。
また、手が触れると、手の自然の油分と反応して、これも経年変色の原因になる。
「変色」とは言いますが、これはいわゆる経年変化(時を経ることでの自然の変化)です。
それが、いかにも「使っている」という感じで、よいんですよね。アメリカ人はそういうの気にしませんし、むしろ大好きです。
ところが、このブックダーツが日本で受け入れられると……。日本人というのは、モノを綺麗なまま・変わらない状態で使いたいと思う傾向があるじゃないですか。
一方でこの、ブロンズ製のブックダーツは、変色してゆくところに味がある。
僕はこの、時間を経るごとに変わってゆく感じなんて、「使っている!」という感じでなかなか良いと思うのですが……。
とはいえ私どもは日本の会社ですから、日本の市場に向くように、工夫してみました。
変色しにくく、いつまでも綺麗に使える素材、ステンレスのブックダーツ(写真下)です。

それが、「銀座吉田別注モデル」ですよね! わざわざ作ってもらったんですか?

銀座吉田 山野:
いえいえ、もともとあったステンレスのブックダーツを、日本用にパッケージし直してもらいました。見た目の綺麗さにこだわる日本人に合わせて、PP(ビニール)素材でパックしてもらったり(後述)。
こうやって開発した、日本発・別注のブックダーツパック。
実はその後、アメリカでも売っているらしいですけどね……(笑)。
逆輸入ならぬ、逆開発ですか?

銀座吉田 山野:
そうですね。ブックダーツの会社は、良いものは取り入れてくれる、柔軟な会社です。たとえば、初期の頃に日本に輸入されていたブロンズのブックダーツは、パラフィン紙に包装されていました。
どこかクラシックで、はかないパラフィンの封筒に入っていて、事務的というよりはプレゼントに最適な雰囲気。
「あれ、これは何なんだろう?」という、純粋な興味が持てる感じの外装。
あの独特の雰囲気というか、質感が、本当に飛び抜けて感じられた、ブックダーツ黎明期の製品です。

(* よくご覧下さい。上の2つがブロンズ+パラフィン包装、下がステンレス+PP包装です)
途中から、包装が変わりましたよね。

銀座吉田 山野:
そうです。空気を通しやすいパラフィン紙に変わって、空気を通しにくいPP(ビニール)包装に変わったんです。この仕様の変更により、お客様の手元に届くまで、ブックダーツが変色したり空気に反応したりということは、だいぶ避けられるようになりました。
また、紙からビニール包装に変わったので、輸送途中や並べている途中で折れたりする率も下がりました。
こんな話を聞いたことがあります。
はたとえば、缶詰のカンがへこんでいたとするじゃないですか。
日本では「カンがへこんでいるから、取り替えて?」というのは、たぶん普通のことだと思います。
でもある日、誰かがアメリカで同じことを言ったら、
「日本人は中身だけでなく、カンも食うのか?」
と興味津々で聞き返されたそうです。
私(藤沢)の仕事は本を書くことですが、本も同じだと感じます。
アメリカの本は、たとえ本屋に並んでいたとしても、誰かが読んだ形跡がある(笑)。でも本は読むものなので、中身が大事ですから、みんなあまり気にせずに買ってゆく。
でも日本の本は、本当に綺麗ですよね。
お客様も新品美品を求めていると感じますし。
「読むもの」というより、まず「鑑賞するもの」という感じがしますよね。

銀座吉田 山野:
弊社(銀座吉田株式会社)では、海外の文具や良品を輸入しています。実際に輸入して、使ってみると分かるのですが、海外の文具は日本みたいにピカピカな感じじゃない。
でもそれが味だし、余裕というか、幅を感じます。
人間だって、全員同じ人はいないのだから、その人間の使うモノだって、多少味があって微妙に違ったっていいように思うんです。
そこが、海外文具の魅力です。
そんな「遊びの幅」を意識して、時とともに変わってゆく感じを味わいながら、変質しないステンレス同様、銅(ブロンズ)のブックダーツも楽しんでいただけたら嬉しいです。
ステンレスもよいですし、ブロンズにもブックダーツのルーツ……オリジナルの温かみがあって、やはり素敵です。
時間とともに、ちゃんと「自分のもの」になりますので、どうか楽しんでください。
【記事制作】
協力 銀座吉田株式会社
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インタビュアー・文責 藤沢優月
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grenインタビュー 革ってなあに?

ONSAオリジナルの革製品を作ってくださっている革職人・gren 安田さんと一緒に、
革製品に関する具体的な知識、選び方を見てゆきましょう
革製品とは、そもそも何でしょうか?革製品とは、太古からの、人間と自然の関わりを表しています。
人間は生きるために動物の命をいただいて、今まで生きてきました。まず食肉としていただき、残りの革を着たり履いたり、持ったりする生活用品として加工してきたのです。
革にはこのように、人間とのつきあいの長い歴史があります。革の歴史は、動物の命との関わり方の歴史でもあるのです。
つまり、動物と人間の命の循環が形になったもの……それが革製品です。
ONSA Yukkuri Storeで扱っている製品の革も、もちろん、そのようなつながりの中でいただいています。
革を取るために動物を殺すような活動には参加しておらず、食肉として屠られた動物の、余った革をいただいています。
そんな革製品ですが、ここからは、革についてのさまざまな技術や加工方法を見てゆきましょう。
そのことによって、私たちが ONSA Yukuri Storeを通じて共有することができる、命の循環を心に留めてみたいと思います。
山で、あるいはサバンナで死んでしまった動物は、土に還ってゆきます。革は動物の皮膚ですから、本来、そのままだと朽ちてしまいます。「なめす」というのは、本来生き物である革を、腐らないようにするための加工のことをいいます。
別の言葉で言えば「なめし」とは、動物の皮膚だった革を、人間が使えるように転換する技術のこと。
具体的には、伝統的には植物由来のタンニンなどを使い、革を腐敗から守ります。
つまりタンニンなどを使って、よりなめらかに加工したり、革の目をつめて強くしたり、しなやかな製品に仕上がるように助ける下地づくりのことを「なめし」といいます。
たとえばあなたと私では、外見や生活習慣に、大きな差があることでしょう。同じ人間でも、同じように生きている人は、一人もいません。
動物も同じ。
生き物の革である以上、ひとつひとつの原皮(加工前の革)は違います。だから、この「なめし」の技術で、革を製品に転用しやすいように、できるだけ均一な、綺麗な状態にします。
また、動物は平面ではなく立体です。
つまり胸やおしりがあって、その部分はカーブを描いています。
でもなぜ、私たちがイメージの中で知っている革は、まるで紙みたいに平面なのでしょう?
それは、この「なめし」の技術によって、ひとつひとつ個性の違う立体を、なるべく均一な「平面」に加工しているからです。
それだけに、この「なめし」の技術は非常に大切です。
「なめし」が上手だと、革はとても長持ちします。でも下手な人がなめすと、湿度の影響や時間の経過で、あっという間にゆがんだりひずんだりします。
また、1年や2年で表面の色がかさかさとはがれてきたり、形が歪んできたりします。
これを職人さんは「なめしに手を抜いている」と言います。
大量の革製品が出回っていますが、安い革製品は、革の質も、なめしの質も良くないことがあります。
これでは、結局はすぐに使えなくなってしまい、環境にもお財布にも良くありません。
動物の命も、無駄になってしまいます。
革の質とお値段が、ある程度比例するのは、このため。
よい革製品はとても長持ちして、使う人と一緒に呼吸しながら成長してゆきます。
それは、まずはじめに、しっかり「なめす」からです。
さあ。ここからが革職人さんの出番です。職人さんは、届いた革を目利きして、製品に仕上げます。仕事はデザインや縫製ばかりではないのです。
まず革目を読むのが、職人さんの仕事となります。
つまり、なめされた革は、もともと立体。
今はなめされて平面になっていますが、湿度の影響や時間経過でゆがむ可能性もあります。
違う革目同士のものを合わせてミシンをかけたら、湿気で正反対に伸びてしまい、使っているうちに変な形になってしまう可能性もある。
そんなことにならないように、革の個性や状態を読んで、製品に仕上げてゆきます。
ところで、届けられた革のひとつひとつが、大きさも状態も、全部違うって知っていましたか?
考えてみれば、生き物ですから当たり前です。
革は石油製品のように、均一ではないのす。
そんな不確定な条件の中で、なるべく同じコンディションの製品を作って、値段が安定するように工夫して……。
ふう。革職人さんのお仕事は、本当に大変です。
なめされた後の革は、全部使うことができるわけではありません。ある部分のシワが目立ちすぎる場合もあります。
だから
「表面には、なるべく綺麗な部分。見えないところに使う革は、多少荒くても大丈夫……」
……こうやって工夫することで、製品コストを抑えるのも大切な仕事。
職人さんの腕は、革製品の仕上がりにとって欠かせない要素です。
ちょっと質問です。動物のお尻が、虫に刺されるとどうなるでしょう?
答えは、なめした後の革にも、虫さされ痕が残ってしまう(ことがある)!
革は動物の皮膚をいただいて作っているもの。
私たちに同じ人が一人もいないように、動物にも、まったく同じに育った個体はありません。そのため、革にはどうしても個性がでます。
逆に言えば、ひとつと同じものがない、それが革の魅力でもあります。
あくまでも一般論にすぎませんが、一般的に、東南アジアの動物の革は、傷や虫さされの痕が多いと言われています。そのため安い製品に使われることが多いとされています。
一方ヨーロッパ製の革は、生育環境にも気配りがされているため、傷の少ない革といわれています。
日本の革も、状態がよいといわれます。
育った地域によっても、このような差がありますが、その動物がどのような個性を持った動物であるかにも、革のコンディションは左右されます。
たとえばですが、その動物が老体だとすれば、皺が多くなります。
右のお尻で座る癖があったとすれば、その部分の皮膚が硬くなります。木にこすりつけて、ぽりぽり掻く癖があったとすれば、その部分の皮膚が硬くなります。
おもしろいでしょう?
革は、一個の生命を、製品として受け継ぐ行為。
納品された一枚革を見ると、そのことをありありと感じることができます。
革は基本的に、一枚単位で購入します。
そして、届いてみないとコンディションが分かりません。
もちろん、いいコンディションの革を納品してもらいますが、化学製品ではないので、すべて完璧に同じということはありえません。シワやゆがみがあるのが当たり前。
ちなみに、 革に寄ったシワのことを「シボ」といいます。
毎回違う条件の中で、届いた革から、手帳カバーなら手帳カバー用の大きさを切り取ります。当然、1枚の革から取れる個数も、毎回変わります。
仮に、シワ(シボ)を全部避けて製品を作れば、綺麗な手帳カバーができます。
しかし、一枚の革から切り取り可能な面積が少なくなるため、相対的に製品の価格が上がります。
高級メゾンの革製品が高価なのも、そのような理由によります。
原皮(げんぴ)の種類と「なめし」の方法の組み合わせによって、革がさまざまなバリエーションに分かれること、少しはお伝えできたでしょうか?皆さんの皮膚にも、太陽に当たらなくてきめが細かい部分と、もう少しきめが荒い部分があるように、革にもいろいろな部分があります。
繰り返しになりますが、きめの細かい、傷のない、コンディションのいいところのみを使うようにすると、そのような部分は一枚の革から少しの量しか取れないので、当然、お値段がかなり上がります。
たとえば、傷のまったくないリンゴだけを選別して売れば、選別基準が厳しいだけ、お値段が高くなってしまう。でも、傷のあるリンゴだって、じゅうぶん良質。
同じように、少しぐらい傷のある革だって、使ってゆけばなめらかに変わる。革は使ってゆくほど、状態がよくなるものだからです。
それならば、傷のまったくないものにこだわるより、毎日の暮らしの中で自然に手に取れる方がいい。
芸術レベルの革製品ではなく、毎日の生活で良質のものを楽しんでもらえた方が嬉しい。
とはいえ、革の魅力も知ってほしい。良質の革の味わいをお届けしたい。
このように、ONSA Yukkuri store の革製品は、コンディションとお値段の両方のバランスを試行錯誤しながら作っています。
ちなみに石油製品は、最初の状態がいちばん良いです。あとは基本的に、使えば使うほど劣化してゆきます。
一方で革は、使えば使うほど味が出て、状態がよくなってゆく製品。
ONSAでは、使ってゆけば味が出て、しだいに良くなってゆくものを見極めて縫製していただいています。
どうぞ安心してお使いください。
さあ、手帳カバーが仕上がりました!それでは最後に、届ける者の責任です。
ここでふたたび質問です。
人件費は、製品のどれぐらいのパーセンテージを占めるでしょう?
世界中で日本は、人件費がきわめて高い国のひとつに数えられています。そして、製品化のプロセスがいかに成功しても、届ける段階でコストがかかりすぎては、結局高くついてしまいます。
ONSAがショップさんに手帳カバーを置かず、通信販売のみで取り扱いをしているのも、そのため。
質が良く、本来であればとても高価な品物を、現実的に手に取れるお値段でご提供したいからです。
ためしに調べてみました。
今まで弊社にお寄せいただいたリクエストの中で、「どうしても手に取ってみたい!」というご要望が、どれぐらいあったでしょう?
正解は、全ご注文数のうち、ほんの数パーセント。1パーセントにも満たないご要望数であることが分かりました。
ここからも、ONSA Yukkuri Storeにご訪問いただくお客様は、良い品をムダなくお受け取りになりたいと考えていらっしゃる方が多いことが分かります。
つまり多くのお客様が、芸術品レベルのリンゴより、日々の暮らしになじむ良質のものが欲しい……質と価格のバランスをを重視している、そう考えることもできます。
中には、どうしてもお手に取ってご覧になりたい方も、いらっしゃることと思います。
そんな皆さま、本当にごめんなさい。
その方々のためには、将来的に、革見本のレンタルサービスを有料でご用意することを検討しています。
ただ、ご要望数が少ないこと、手間がかかることから、革見本と説明書きをお貸し出しするだけで、貸出料が3千円前後というお高いサービスになってしまいそうです。
サービスおよび人件費が、それだけ高価だという証拠です。
反対に言えば、これだけクオリティの革を使い、お値段を控えめにすることは、それだけハードルが高い行為でもあるのです。
それでも、「どうしても色を見てから購入を考えたい!」と思われる方は、こちらのサービスが現実に移せますよう、ぜひリクエストをお寄せください!
同じ理由で、ほとんどの通販会社と同様に、色味によるご交換やご返品は承っておりませんので、どうぞご了承ください。
パソコンはそれぞれ色の表示が変わります。
機種や色設定などによって条件が変わりますので、極端に言えば、世界中で同じ色に見えるパソコンは一台も存在しないことになります。
つまり私たちは、お互いに違う色を見ていることになります。
しかも、それをなんとかすることが、現状のコンピューターのシステムではできません。
(それでも「なんとかしたい!」という方は、まずは、マイクロソフトかアップルコンピューターにご依頼いただけますようお願いします。とても助かります!)
このような前提に基づくと、色イメージの相違はシステム上、高確率で必然的に生じます。
そのため、色イメージの相違によるご返品・ご交換は恐縮ですがお受けできないのです。ごめんなさい。
革製品はこのように、さまざまな制限の中で、お客様の手にお届けしています。
手に取っていただくお客様には、弊社のサービスは必ずしも完璧なサービスではないかもしれません。
でも、削るところを潔く削っているからこそ、ほんとうに良質な革を、このお値段でお届けすることが可能になっていることを、どうぞご理解いただけましたら幸いです。
皆さまに、革製品のすばらしさが、少しでもお伝えできたら嬉しく思います。
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grenインタビュー どうして職人さんになったのですか?

ONSAオリジナルの革製品制作していただいている、革職人の安田さんをご紹介します。
銀座や代官山、目黒のショップの革製品を引き受けていらっしゃいます。
grenという革工房の主催者兼職人さんで、技術の高い丁寧な縫製が特長。
技術の秘密は、ぜひこの後をお読みいただければ解けるはず。
手にするお客様のことを想ってくださるお気持ちは、さすが職人さん。
手帳カバーを納品の際は、ご自身で一点一点手帳をセットし、納得できたものだけをONSAに納品してくださいます。
ONSA Yukkuri Storeを通じて、皆さまにご愛用いただいている、ONSA製の革製品。
どういうこだわりを持って作られているのでしょう。
ストーリーから革製品の選び方まで、安田さんにお話を伺いました。

ーーー いつもOFFICE ONSAの革製品を作ってくださって、どうもありがとうございます。
いろいろお聞きしたいのですが、まずは、安田さんと革との出会いのきっかけを教えてください。
革製品との出会いは、大学生のとき、アウトドアショップでアルバイトをしていた時のことです。さまざまな革の靴を見て、気になりはじめました。
でもまさか、職人になるとは思っていませんでした。
大学を卒業して、愛知県の会社で普通にサラリーマンをしていましたから。
25歳のとき、イタリア旅行に出かける機会がおとずれました。
やっぱり靴が好きだったし、テーマがあった方がおもしろいので、イタリアで靴屋を中心に巡る旅に決めました。
イタリアには、本当にさまざまなタイプの革製品があります。靴の文化ですから、日本とは革づきあいの歴史が違うのです。
実際にイタリアに行ってみて、「やっぱり革はいいなあ」と思いました。
細やかで、生活に密着している感じがしたからです。
そんな旅の終盤に、大きな転機がおとずれました。
フィレンツェのちいさな革工房&お店です。
そこは、伝統と手仕事を大切にするイタリアにはよくあるような、工房とお店がいっしょになったようなところ。奥の工房で小物を作り、お店で売る仕組みです。
本当に小さなお店なんですが、なんというか、あったかみがあるのです。
小さなもの、どんなものでも作って、手の届くところで売る仕組みが、すごくいいなあと思いました。
今まで何となく革が好きで、革と接していられたらと、漠然と思っていたのですけれど。
このお店&工房を見た時に「好き」の気持ちの質が、変わったのです。
今までみたいに「こんなことが、できたらいいな」という漠然としたものから、具体的に「こんなことがしたい!」に変わったんです。
ーーー 「したい!」から、どうやって職人さんになったのですか?
したいことのイメージが描けたので、日本に帰国して、方法探しをしました。一度はイタリアへの留学も考えたのですが、「でも、日本でも習えないか?」と思っているとき。
また出会いがありました。
BRIOのオーダー物の特集に、「すごい人」が掲載されているのを見つけたのです。
日本で唯一といっていい、エルメスに認められた技術を持つという、鞄職人さんの記事でした。
この方はとても有名な方で、お人柄が素晴らしいのはもちろんなのですが、技術もエルメスと同等、あるいはそれ以上と評価されている方です。
ブリーフケースひとつオーダーするのに30-40万、高いと100万円ほどかかります。そのぐらい、仕立ての技術が素晴らしいのです。
日本人で唯一と言っていいのではないでしょうか、エルメスの工房まで入れる方です。エルメスの工房に入れるということは、めったにありません。それだけお人柄もすばらしく、そして技術もすご腕の鞄職人さんです。
その記事を読んでから、
「この人のところで学びたい!」
と強く思いました。
そして、たまたまその方が鞄教室を開催されているのを見つけて、すぐ応募。
勉強のために会社を退職し、愛知県を離れ上京しました。英断です。
その教室で、本当にさまざまなことを習いました。
そして勉強のプロセスで、靴もおもしろいけれど、カバンも面白みがあると知りました。作れば作るほど広がりがある分野です。
そのようなわけで、今は基本的にカバンを作っていて、ショップ向けのオーダーを受けています。
……その後、数年を経て安田さんは独立。革工房 grenを立ち上げました。
今は、銀座や代官山、目黒のショップに、持ち前の技術で縫製した、センスのいい革製品をおさめています。
こんな方に、ONSA Yukkuri Store は革を縫製していただいています。
革は、ずっと長く使うほど、味が出るもの。
使い捨てるのではなくて、共に成長してゆくもの。
自然の命をもらっているからこそ、ていねいに、大切に。安田さんとONSAは、そんな想いを共有しています。

ーーー 最後に、安田さんからメッセージ&ONSAオリジナル手帳カバーについて、リコメンドと紹介をお願いします。
製作した革製品についてなのですが、どれも特別な事をしている訳ではありません。ただ、末永く愛されるように、やるべき事をきちんとやらせていただいているだけです。
お手に取っていただけるお客様に、愛着を持って使って頂けたら嬉しいです。
そして、気づいたらいつも身近にある、かけがえの無いものに育てて頂ければと思います。
【記事制作】
協力 gren 安田広道
http://www.gren.jp/
インタビュアー・文責 藤沢優月
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grenインタビュー 商品別 革製品のえらびかた



ONSAが扱っている3種類の革の特長を書いてゆきます
手帳カバーおよび革製品をお選びになる時の、ご参考になさってください

Italia シリーズの革:職人さんからのアドバイス
この製品に使っている革は、イタリアの小さな工房から仕入れられているものです。家族が協力してなめしている工房のもで、本当に手作業に近いものがあります。
タンニンとは天然の植物の汁で、お茶などを飲んだ時に「苦い」と感じる成分のこと。
これでなめすと、革が柔らかくなります。
手帳カバーを手に取っていただいた時に驚かれるのは、革のしなやかさではないでしょうか。
美しい発色も、この革の素晴らしいところです。
この革は、おどろくほど柔軟に表情を変えてくれます。使い手が手で触れるたび、どんどん変化してゆきます。
最初は少しドライな感じのする表面も、人の手の自然の油分を受けて、つやつやに変化してゆきます。
「自分のものになってゆく」という感じが、いちばん味わえる革なのではないでしょうか。
Italia シリーズの革:革の問屋さんからの革情報
(この革をなめしている)パダラッシィ社は、風光明媚なイタリア・トスカーナ州のPONTE A ECOLA地域にあるタンナー(革の染色工房)です。
同社は約30年前に、革作りの学校の教授をしていたCARLO BADALASI氏が、その理論と技術を実行するため、独立して始めた企業です。
規模は小さいですが、バクッタと呼ばれるイタリア固有の昔ながらの革を専門に作っています。
近代的な革作りを避けて、時間と手間をかけた革作りをしていますが、一方で、想像力に富んだ同社は、次々に新しい商品も開発しています。
少量生産・高品質を目標にしていますので、本当に革が好きなメーカーが好んで使用しています。
(大量生産・大量販売には向かない素材です)
有名な顧客としては、米国のティンバーランド(財布)イタリアのブリンチベ(カバン)、アケトン(靴)等を挙げることができますが、その他の多くはアーティザンと呼ばれる小規模なメーカーです。
さて上記の素材はタンニンなめし+染料仕上げのショルダー革(成牛の肩の部分)です。
栗の木などから取れる、植物性のタンニンをなめし剤として使用し、時間をかけてゆっくりとなめす方法で、近代的なクロームなめしに比べるとコストは高くなりますが、公害面では問題が少ない製法といえるでしょう。
また染色には染料仕上げを施してありますので、牛革の自然で素朴な表面感が保たれています。
薄化粧ですので、革の表面の小傷、しわ等が隠れにくく、また表面がデリケートなため爪傷がつきやすい等のデメリットがありますが、反面、使い込むにつれて艶が増し、色が濃くなり、革味が良くなります。
はじめは気になる革の表面の欠点もしだいに気にならなくなり、むしろ革らしさを感じられるようになるでしょう。
大量生産の均一化された人工的な革とはひと味違ったナチュラルな素材です。
Italia シリーズの革:革のお手入れ方法
タンニンなめしの革は、多少ひっかき傷を作っても大丈夫です。
固く絞った布巾などで拭いて頂くと、目立たなくなります。また、栄養クリームなどを塗り込んであげるののもよい方法で、艶が出ます。
ONSA Yukkuri Store の革のお手入れセットのクリームは革にとてもよいですので、どうぞご使用ください!



bisonte シリーズの革:職人さんからのアドバイス
スタンダードで、どなたにでも使っていただきやすい革です。
「革」というと、まっさきにイメージする革ではないでしょうか。
くせがないので、どなたにでも安心して手に取っていただけます。
これもタンニンなめしで、少しずつ色が変わります。
質の良い日本製の革で、手入れをすれば、ますます艶が増します。
ビゾンテ革の表情は無限です。
カバンやお財布など、他のものとのコーディネイトを考えたとき、いちばん安心できる革なのではないでしょうか。
「ビゾンテ」というのは、イタリア語で水牛という意味ですが、ONSAオリジナルの手帳カバーの場合は、牛の革を使っています。
bisonte シリーズの革:革の問屋さんからの革情報
ビゾンテ革は、日本の食用の牛から取られた国産の革です。
飼育環境がよいので、綺麗なコンディションのものが多いかと思います。
それを国内・姫路の工場でなめしています。
姫路は昔から、革のなめしで有名な場所。
今でも日本の中で有数の、革なめしを産業とする場所です。
日本のなめしは、やはり上手ですので、安心してお使いいただけます。
bisonte シリーズの革:ONSAからの追加情報
革自体の質がよいのに、比較的安価なコストでお出しできるのは、輸入しなくてもよいので関税がかからないこと、あとは輸送費などの関係です。
それぐらい、コンディションの良い革です。安心してお使いいただけます。
bisonte シリーズの革:革のお手入れ方法
タンニンなめしの革は、多少ひっかき傷を作っても大丈夫です。
固く絞った布巾などで拭いて頂くと、目立たなくなります。
また、栄養クリームなどを塗り込んであげるののもよい方法です。艶が出ます。
ONSA Yukkuri Store の革のお手入れセットのクリームは革にとてもよいですので、どうぞご使用ください!

H シリーズの革:職人さんからのアドバイス
「アッシュシリーズ」のHは、フランス語のHの読み方「アッシュ」にちなんでいます。
アッシュシリーズに使われている革は、一年にほんの数回だけ入荷するもので、競争率が高い場合は抽選制。つまり運がいいと手に入れることができます。
それもそのはず。この革は、老舗メゾン・エルメスと同じ革だからです。
少しだけ端数の出た革を、……運良く端数が出ればですが、購入することができます。
エルメスで縫製されればエルメスの製品になり、こちらで縫製されればONSAオリジナルになります。
この革の素晴らしさは、なんといっても品質の高さ。
とても柔らかくて軽いのに、時間をかけてゆっくり変化します。見た目が堂々としていて、革の風合いは楽しめますが、色の変化がとてもゆっくりなのです。
また、引っ掻き傷や水気などに比較的強いのも、魅力の1つでしょう。
ドイツの工場で、クロームなめしという方法でなめされています。
年に数度しかないラッキーチャンスですし、貴重な革ですから、縫い手も心を込めて縫製します。
どうぞ楽しんでください。
H シリーズの革:革の問屋さんからの革情報
カーフスキン(牛の柔らかい革)を原料に、シュリンク剤を入れてなめすことによって、通常の革にくらべて面積を20%程度縮めています。
(* シュリンクとは、ぎゅっと皺を寄せる加工方法のこと。革自体の面積を狭くすることで、その分丈夫にする方法のことです。)
したがってその分単価が高くなりますが、弾力に富んだ革味は、他の革にはない魅力といえます。
この素材はもともとエルメス社用に、同社の要求する基準にしたがって開発されたものですので、染料はセミアリニン仕上げが施され、さらヨーロッパの革としては珍しく色止め加工がされていますので、色落ちの心配はありません。
ヨーロッパ超一流のタンナー(革染色工房)のなめしですので、永い間使用されても型くずれの心配はありません。
H シリーズの革:革のお手入れ方法
H(アッシュ)シリーズに使われている、クロームなめしの上質な革は、もともと傷に強い素材です。
こちらも栄養クリームを塗り込んで、柔らかい布で拭いて上げるのがよいと思われます。
ONSA特製メンテナンスキットも、どうぞご利用ください!

どうですか? 革の尽きない魅力を、少しはお伝えできたでしょうか。
革は美しいと同時に、人の生活に寄り添ってきた歴史が長いだけあり、強くて長持ちです。
出荷される時は同じような表情でも、使われる方によって変わってゆくのが革のおもしろいところです。
ぜひ長くご愛用ください。
じゅうぶん年月に耐えるよう縫製してあります。
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Sipilicaインタビュー シルバーってなんですか?

シルバーチャーム選びの参考にできるよう、素材であるシルバーの知識をうかがいたいと思います。特にSipilicaでは、素材にこだわりがあるんですよね?

Sipilica まほ:
Sipilicaでは、地金を「シルバー950」といわれる配合で使っています。一般的に市場に出回っているものの多くは、925といわれる配合で使われています。
これは一般的に「スターリングシルバー」と呼ばれているものです。
この925とか950とかいう数字ですが、いわゆる「何パーセントシルバーか?」という意味です。
950ですと、95%が銀で、残りは銅などいわば「割金(わりがね)」と呼ばれるもの。
100%銀というのは、実は柔らかすぎるのです。
ですから他の金属を配合して、銀を強くしています。
「スターリングシルバー」と呼ばれる925はどういう意味かというと、92.5%がシルバーで、残りが割金です。
そんな中、なぜSipilicaではシルバー950、つまりより純度の高い銀を使っているのでしょうか。

Sipilica まほ:
銀というものはもともと、純粋性の高い金属で、かぶれにくい素材と言われています。よく「シルバーはかぶれるので」とおっしゃる方がいらっしゃいます。
……もちろん人はそれぞれ違いますから、完全に「安全」ということは言えないと思います。体質や個性は、全員違いますから。
でもシルバーは、世間のイメージよりもずっと、ピュアな素材なんですよ。
古くから食器やカトラリー、スプーンやフォークなどに使われていることからも、伝統的に、口に入れられるほど安全な素材と考えらていたことも分かります。
同時にシルバーは、環境の中のイオウ分や、汗などの中に含まれるイオウ分に反応して黒くなることで有名ですよね。
(それがまた、味なのですが。)
ですので、黒く変色するのを防ぐために、シルバーの上に加工がしてある場合があります。
加工の仕方によって本当に多様だと思いますが、加工されている場合は主にメッキがかけてあることが多いと言われており、シルバー自体というより、このメッキにかぶれてしまう方もいらっしゃると言われています。
たしかにこうすれば変色しにくいですが……。
でも、変化をしないというのも、「自然な状態で変色しやすい」というシルバーの持ち味と矛盾する感じもしますよね。
くすんで、磨いて、くすんで磨いてを繰り返すうちに、自分の持ち味が出てくるのが、シルバーの魅力だと思いますから。
ですので、このシルバーの本来の魅力をより多く楽しんでいただくため……。
そのままでは柔らかすぎるシルバーですが、少しでも純銀に近づけるように、Sipilicaではシルバーの比率を少しでも多くして、95%シルバーを使っています。
いわゆる「スターリングシルバー」より、たった2.5%だけ多い配合ですけどね!
「変色」が魅力のシルバーということは、逆に、お手入れして自分の「味」を出すことも可能ですよね。
どのようなお手入れ方法がおすすめですか?

Sipilica まほ:
銀は何に弱いのかというと、空気中のイオウや、人の汗の成分の中に存在するイオウ……いわゆるイオウ成分に反応します。温泉にシルバーアクセサリーをしたまま入ると真っ黒になってしまうのは、そのためです!
(温泉に「手帳カバー」を持ち込む方はいらっしゃらないと思いますから、今回はこの心配は要らないかと思いますが、笑)
実は、一人一人の汗の成分も少しずつ違いますから、黒く変色する感じも一人一人違います。
ですから逆に、一人一人違った「味」が出るところが魅力なんですよ。
多くのファンを持つ男性的なシルバーアクセサリーのように、シルバーの魅力は、アクセサリーがその人の個性に仕上がってゆくことです。
ですから、「くすむ」ことも味のうち。
磨いてお手入れをしながら、長く使ってください。
お薦めのお手入れ方法は、月並みですが、市販のシルバー磨きです。
重曹と水を使う方法もあるのですが、手帳カバーについているビーズや革との兼ね合いもありますから、今回はあまりお勧めしません。
お手持ちのシルバー磨きで、磨いてあげてください。
ぴかぴかになりますよ!
そして繰り返しになりますが、これはもともとネックレスチャームです。
手帳カバーが使えなくなっても、チャームだけ取り外して、ネックレスなどに再加工することができます。
Sipilicaのショップまでご連絡をいただけましたら、再加工のご相談にも乗らせていただきます。
金属チェーンにするか、革ひもにするか、麻ひもか。ブレスレットにするか。
合わせる素材によって、雰囲気が変わりますよ。
(* 再加工の際のチャーム以外の代金は実費になります/ONSA注)
ご自身の時間と一緒に時間を過ごしたあかしとして、このチャームと、ずっと一緒にいてあげてください。
どうぞ、素敵な時間をお過ごしくださいね!
ありがとうござました!

Sipilica まほ:
ありがとうございました!【記事制作】
協力 Sipilica まほ
http://www.sipilica.net/
インタビュアー・文責 藤沢優月
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Sipilicaインタビュー なぜジュエリーデザイナーになったの?

ONSAのCharmシリーズのデザインを担当してくださっている、Sipilica(シピリカ)のまほさんをご紹介します。
まほさんは、アクセサリーのデザイナーさん。
ご自身のブランドSipilicaを展開されています。
そんなSipilicaのまほさんに、デザインへの想いなどを幅広く伺いました。

大変ありきたりな質問から始めることを、お許しください。
よく聞かれる質問かと思いますが、まほさんの場合、デザインのインスピレーションやヒントは、何から生まれますか?

Sipilica まほ:
……よく聞かれるんですけれど、生活すべてですよね!頭をひねって出てくるものでもないし、生活していて、そのなかでふっと湧いてくるアイディアや気持ちを大切にしています。
いつもデザインのことを考えていますから、流れの中で、自然に浮かんでくるんですよ。
そういえば私は、こんな経験があります。
いわゆるシルバーアクセサリーが爆発的に流行した頃なんですけれど、私はもうすでに、アクセサリーの制作をしていました。
当時はいわゆる、ごついシルバーアクセサリー大流行の時代。高価なピアスやリングが、作ればすぐに飛ぶように売れる! みたいな時代でした。
当時から個人的にシルバーが好きで、シルバーのものばかり作っていたのですが……。
私の好みが時代の流行と一致したこともあって、いわゆる重い感じのメンズライクのアクセサリーも、デザインのラインの一環として存在していたのです。
もちろん、「自分の好きなものを作る」という姿勢は、当時から変わらなかったのですが……。時代性もあって、「売れそうなもの」「受けそうなもの」を作れば売れ、売れれば作ってはまた作り……というような雰囲気に、まったく影響を受けずに済んだとは言えませんでした。
その時期のことは、とてもいい経験になりましたが、ちょっとだけ正直を言いますと、居心地がよくない部分もあったんです。
なぜなら「『流行だから』とこのアクセサリーを買ってくれる方は、このアクセサリーに『人』はあまり感じないかもしれないなあ……」なんて感じていたから。
話題性があるものとは、いわば突出したパワーのあるものですよね。そして、それもそれで必要なこと。
でも、私にとっては、少しだけいびつな気もするんです。
ものづくりというのは、人と人とが、関係性を持ちたくてやっていることですよね。
「モノ」と「モノ」との間に、人のぬくもりがあり、それをつなぐものが「モノ」だと思いますから。
ファストファッションももちろん、パワーがある。良さがある。
でも私には速すぎて、関係性を築いているヒマもないと感じました。関係性が、「命」を持つヒマもない速さだなあと感じたのです。
まほさんは、デザインに「命」を吹き込むために、どんなことを想っているのでしょうか。
制作する時に気をつけていることは、どんなことですか?

Sipilica まほ:
デザインする側が「これが好き」というものと、受け取る側が「これが素敵」と思う、そのいいバランスの中で、「モノ」ははじめて命を持つと感じています。だから、デザインする側が思考停止みたいになって、流行だけを追っていたら、そのバランスが半分で停止してしまう。
そういうわけで、日々の暮らしの中で感じることを、とても大切にしています。
なぜなら、暮らしの中から感じることは、形は多少違っても、誰もが感じていることだと思いますから。
別の言葉で言えば、「モノ」とは、引き潮と満ち潮みたいな関係だなあと思うことがあるんですよ。
そこに「モノ」があるだけでは、まだ潮目の半分だけ。
その「モノ」の中に作り手が見えて(半分)、買ってくれる人と出会うことで(もう半分)、2つのバランスがひとつになる。
そこで、はじめて「モノ」がバランスする。
アクセサリーはこのようにして、関係性の中で完成するものだと感じています。
少し話は変わりますが、アクセサリーっていわば、なくても死なないものじゃないですか。
水とかお米とか、食べ物みたいに、どうしてもなくてはいけないものじゃない。
でもその「なくても死なないもの」を、わざわざ作っているんです、私。
地球の中から銀を掘り出して、熱を加えて加工して、わざわざ作る。そのプロセスで、本来与える必要のないダメージをも、環境に与えてしまう。
だからせめて、自分の作るものに命を込めたいし、誠実でありたい。
自分が心からの納得がいって、作りたいんです。
そう思って、「2年間だけ」と決めて、アクセサリー制作を休業したこともあるんですよ。
自分がどういう価値観を大切にしているのかを確かめたかったし、本当に好きなら戻れると思っていましたから。
そうやって時間を過ごしているうちに、まるで自然な流れが出来るように、Sipilicaをはじめました。
想いを丁寧に大切にして、アクセサリーを作ってらっしゃるんですね。
そんなSipilicaは今、ap Bank fesをはじめとする夏フェスには欠かせないアクセサリーショップとなりました。夏フェスの代表格である「ap bank fes」でおなじみの方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
たくさんの人が、大切な夏の思い出にと、Sipilicaのアクセサリーを持ち帰ります。
最後に、そんなSipilicaファンの方々にメッセージをお願いします!

Sipilica まほ:
作り手である私が言うのがおかしいのですが、アクセサリーがなくても、人間のカラダは生きてゆける。でも同時に、人には「心」という大切なものがある。
心や想いがあるから、ずっと覚えていたい大切なこともある。
そういう「人の気持ち」と、そして、アクセサリーの素材を提供してくれる「地球」。
そのどちらも大切にして、アクセサリーを作ることを心がけています。
「どちらか」でなくて「どちらも」バランスよく大切にすることを、心がけているんです。そのバランスが、「エコロジカル」という意味なんだと感じています。
それに、何の「モノ」でも一緒ですが、好きで、大切にして、長くつきあうことが、結局いちばん自然なエコですよね。
「エコ」と言いますが、それは「何をするか」とかいう行為の問題と同時に、「大切にする」という心の問題だと感じています。
だから生活の中に「入れる」時に、「これはずっと一緒にいられるモノなのか?」と問うことも、エコ。
言い換えるなら、「大切にできるかどうか、よく考える」ということ自体が、もうエコだと思うんです。
最近よく「エコ替え」とか……捨てる時のことを話しますよね。
でもそもそも、自分の生活にその「モノ」を入れる時に、「本当にそれは私が欲しいものなの? 惹かれるものなの?」と考えることを大切にしたいですし、私自身は大切にしたい価値観だと感じています。
そういう意味でも、この手帳カバーには、ヒミツがあるんですよね!

Sipilica まほ:
そうなんです。ずっと大切にできる仕組みで作ってあります。このチャームはもともと、ネックレス用のものです。
それを手帳カバー用にコラボしました。
ですから、手帳カバーが使えなくなっても、チャームだけを外して、ネックレスなどに再加工することができます。
よかったら、ご自身の時間と一緒に時間を過ごしたあかしとして、このチャームと、ずっと一緒にいてあげてください。
Sipilicaのショップまでご連絡をいただけましたら、再加工のご相談にも乗らせていただきます。
(*再加工の際のチャーム以外の代金は実費になります/ONSA注)
このチャームを受け取ってくださる方の夢が、叶いますように。
時間が、素敵なものとなりますように。
そういう想いを込めて大切に作った気持ちが、どうか届きますように、心からお祈りしています。
【記事制作】
協力 Sipilica まほ
http://www.sipilica.net/
インタビュアー・文責 藤沢優月
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