『未来日記』復刻 DIARY | BACK NUMBER – p.03[No. 11-15]

書籍『未来日記』
『未来日記』復刻 DIARY | BACK NUMBER – p.03[No. 11-15]


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2017年11月21日 UP
[ ONSA 公式 blog より転載 ]


断裁されて、捨てられる危機から、間一髪で救出された『未来日記』。
ところが、件の書籍といえば、飛ぶように、びゅんびゅんと旅立ってゆきます。


あれほどあった在庫が、もう、風前のともしびに......。

「どうしよう。」
「私には、刷る権利(=版権)もないし、印刷データもない」

「このひと山がなくなったら、本当に、在庫が終わる。」
「在庫が終わったら、届け続けられない......」



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思いつめた私は、ふと、1枚の書類のことを思い出しました。

忘れもしない、あの日。
ぴらりと送られてきた、出版社の破産を知らせる、1枚の書類です。



封筒を取り出して、久しぶりに、紙をひらいてみます。
そうして、たどるように、ひとつずつ。おそるおそる、文章の内容を、確かめてゆきます。

すると、そこには、破産管財人の名前が。
破産管財先は、東京の、とある弁護士事務所となっていました。


そして、その下には、日付。
......ああ、なんということだろう。

書籍『未来日記』の行方を探したり、引き取ったり。必要な人の元に届けられるように、自社で売るための準備を整えたり、実際に売ったりしているうちに。
破産管財の行われた日付から、あっという間に、1年以上の時間が経っていました。


まるで、竜宮城にいるかのように。
たちまちのうちに、時間が過ぎ去っていたのです。


1枚の紙を前に、私の心は、ウロウロと往復します。

「今ごろ連絡をしたら、引かれるだろうな」
「『もう、担当者もいません』なんて、言われるかもしれない」

「でも、ダメ元で、状況を確認してみても、いいかもしれない」
「破産管財の結果は、多分もう、すでにケリが着いてあるはずだから」

「誰に権利が移ったのか、今はどうなっているのか」
「何か、情報があるかもしれない」


どう客観的に考えても、弁護士事務所にしたら、迷惑なこと。
「今さら」という、時間の経過です。


ですが、私も必死。
何回か、迷った後......、
「ええい!」
勇気を出して、電話に手をかけます。

「もしもし、貴社で管財を担当された際に、当事者となった著者ですが......」

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後から振り返った時に、くっきりと分かることがあります。
書籍『未来日記』が、無事に復刻できた陰には、たくさんの、偶然の計らいがありました。

偶然の計らいのもとには、いつも、「人」がいました。

そして、奇跡のスタートは、この1本の電話から。



電話の向こうには、女性の声です。
弁護士事務所の事務の方は、こちらの言い分を、優しく聞いてくださいます。

そうして、戻ってきた返事は、このようなものでした。

「すみません、すでに済んでいる管財ですので、書類一式が、倉庫に行ってしまっています」

もちろん、当然です。
私は、気落ちしかけました。
すると......、


「少し時間をいただけますか? 版権がどうなっているか、譲渡されているのか放棄されているのかを、確認します」


「譲渡? 放棄?」
版権には、譲渡と、放棄があるのか......。

うっすらと、そんなことを思ったことを、覚えています。
そんな中、
「少し、お時間をください」
の問いかけに、
「もちろんです!」
「本当に、ありがとうございます!!」

とお礼を伝えて、ひたすら待ちます。


細い糸が、かすかに、つながった気がしました。

そして、つなげてくれたのは、人の優しさ。
会ったこともない、互いに見知らぬ人の、親切心でした。



弁護士事務所という存在は、毎日毎日、あちこちから降ってくる案件で、てんやわんやでしょう。
それなのに、すでに解決済みの、過去の書類を掘り出すことに、時間を割く義務も道理もないはずです。しかも、そうしてくれたところで、弁護士事務所としたら、何のお金にもつながらない......。


申し訳なさの入り混じる中、ドキドキとした気持ちで待つこと、約1ヶ月。
弁護士事務所から、返信が来ました!



>> 本記事 " 『未来日記』復刻 DIARY |[11]「少しお時間をください、調べてみます」"
元記事は、ONSA 公式 blog でご覧いただけます



2018年03月16日 UP
[ ONSA 公式 blog より転載 ]


ドキドキして待った、弁護士事務所からのメール連絡。
書籍『未来日記』の、管財を担当した、弁護士事務所からです。

心臓が、脈打ちます。
おそるおそる、メールを開封してみると......。

「版権は、誰かが持っていったという形跡はありません」
「それゆえ、状況的に、書籍『未来日記』の版権は、放棄されていると見ていいと思います」

......版権が、放棄されている?



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頭の中で、何度も、言葉を整理します。


版権が放棄されているということは、どういうことだろう。
それはつまり、誰もこの版権を、「自分のものです!」と、主張していないということ?


念のため、弁護士事務所に、再度問い合わせます。

「それは、著者の私が、版権を行使しても、問題のない状況だということでしょうか」
「法的には、問題がないと思います。つまり、状況的には、その行為で、誰の権利も侵害しないと思われます」



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......ということは。


やった!!!


書籍『未来日記』を、印刷する権利。
その権利が、誰かの元に行ってしまっているわけではない。

その本に、現状のところ、いちばんの権利を持つ私。
その私が版権を取って、本を印刷して、読者に手渡しても、状況的に問題がない!!



こんなことが分かったのも、プロの仕事のおかげ。
国家資格を持つプロが、泥臭く、書類をひっくり返してくださったおかげです。

倉庫に行って、書類の詰まったダンボルールをあけて、状況を確認してくださった弁護士さん。
今でも、本当に、感謝申し上げています。

(ちなみに、弁護士さんへのお礼は、書籍『未来日記』(2刷)の奥付に、ご本人のご了承をいただいた上で、掲載させていただいています。)

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そして、実は、ヒーローはまだまだいます。

1冊の本が、あなたの元に届くこと。
それは本来、奇跡の輪の連続。


奇跡の輪の連鎖は、まだまだ続きます。


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>> 本記事 " 『未来日記』復刻 DIARY |[12]「大丈夫です。権利は、生きています」"
元記事は、ONSA 公式 blog でご覧いただけます



2018年03月20日 UP
[ ONSA 公式 blog より転載 ]


書籍『未来日記』の、復刻に向けての状況。
まずは、一歩前進です。

まずは第一関門となる、「版権」が無事だった!
一歩前進どころか、大きな前進!!



......でも。

印刷データが、ないじゃない。

これは、実は、大きな問題だ。
どうしよう。


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説明しますと、
「版権がある = 印刷していい権利を、有している」
ことと、
「印刷データ(=実物)を持っている」
ということは、まったくの別物。


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たとえば、ちょっと離れた例ですが、型抜きをした人参を、漬物にして、売るとするでしょ?

「漬物を売っていい、衛生管理の資格を持っていますよ」
と、
「目のまえに、人参と漬け液、型がありますよ」
とは、まったくの別物。


資格があったからといって、モノ(材料)がないと、実際のモノ(漬物)は作れない。

本の場合、このモノ(材料)をさすのは、まず第一に、印刷データ。

私が原稿を書き、イラストレーターさんがイラストを描き、デザイナーさんがレイアウトをした、「データ」です。
データを紙に印刷するからこそ、モノ(本)にして、お渡しできる。


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印刷データを作るのは、それはそれは、専門的な技量が必要。
そして、とっても、お金がかかります(!)。



印刷データは、知識の結晶です。

紙に対する知識。
素材に対する知識。
フォントの知識。
「それが印刷されたら、どう仕上がるのか」を、経験的に判断できる知識。

中でも、いちばん大切だと個人的に思っているのが、割付に対する知識。

「いちばん難しい」とは言いませんが、かなり重要だと思います。

(ちなみに私は、一番苦手です......)


本というのは、プリンタから、印刷された紙が出てくるのとは、ちょっと違う。

本を「1ページ、2ページ、3ページ、4ページ......」と、続けてめくるためには。
実は、紙の裏表に、

・4-1
・3-2
・5-8
・7-6......

と、まるでパズルみたいに、データを置かないといけない。
そして、このパズルみたいな作業を、全ページ分、繰り返してゆかなければならない。


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以前、本当にリアルに、割付を失敗した本を、購入したことがあります。
読んでゆくと、本が、変にループしている。

その部分を見た瞬間、愕然としたわけです。
「ああ、やってしまったな」
と。


プリンタで、両面印刷の上下を、間違えた時。これだけでも実際、ずいぶんおかしなことになりますね。
でも、プリンタからの出力では、プリンタを止めたら、そこで被害がストップできる。

でも、書籍出版では、そうはゆかない。
割付方法を間違ってしまうと、注文分全部が、壊れた本になって、納品されてくる。

それゆえ、専門家の助けなしに、この部分を乗り越えられる気がしない......。



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一難去って、また一難。
もう、どうしようか。


版権は、確保できた。
でも、かんじんの「版」......完成された印刷データが、見あたらない。



潰れてしまった会社の、誰かのパソコンの中に、ストックしてあるのだろうか。
あるいは、もう、ないのだろうか。

突き止めるのは、......不可能だな。
だって、担当編集者とすら、連絡が取れないのだから。


もう一度版を作り直して、印刷し直すのに、いったい、いくらかかるだろう......。

今は仮に、弊社(ONSA)で引き受けている在庫。
それは、「10円の収入を得るのに、90円の赤字が出る本」で、済んでいるかもしれない。
でも、これが「10円の収入を得るのに、900円の赤字が出る本」みたいになったら、意味があるの?


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>> 本記事 " 『未来日記』復刻 DIARY |[13]印刷データが、見当たらない!"
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2018年03月23日 UP
[ ONSA 公式 blog より転載 ]


版権は、確保できた。
でも、印刷データがない。

......よく考えてみれば、印刷データって、ふつうは、どこにあるのだろう。



印刷データ。
それは、その本がヒットして、再版重版がかかると、とたんに必要になるもの。

印刷データは、宝です。
なぜなら、もしその本が、ふたたび刷られることになった時。
印刷データがなければ、いちから本を、作り直さないといけなくなるから。


つまり、著者はもう一度、原稿を書かなければならない。
イラストレーターは、もう一度、同じイラストを。
デザイナーは再度、まったく同じ作業を......。

これでは、意味がない。
だから通常、印刷データは、出版社あるいは印刷会社が保管しているはず。


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ですが、何度も言っているように、書籍『未来日記』の場合は、出版社がもうない。
当然、印刷データの行方も、分からない。



そんなことを、考えている時。
ふと......本当に、ふと。

パラパラと、『未来日記』の奥付を、めくってみました。
奥付とは、本のいちばん後ろにある、さまざまな具体情報が書き連ねてあるページです。



すると、......あれ!?

何これ?
見覚えがある!!



そこには、すっかり見慣れた、印刷会社の名前が。

「日経印刷株式会社?」
「ええっ?!」
「......『夢かな手帳』の印刷を、担当している会社じゃない!?」



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心臓が、ドキドキしてきました。

万一のことが、あるかもしれない。
奇跡が、起こるかもしれない!


あるいは、万一のことがなくても、何か情報が、わかるかもしれない。


それにはまず、相談だ!!
......というわけで、電話です。

誰に、電話をする?
とある人に、電話をします。


日経印刷株式会社の中で、『夢かな手帳』の印刷を担当している方を、紹介してもらうために。
印刷会社の人にアクセスできれば、何か、分かるかもしれないから。


そのために、まず、誰に電話をするのか。

すっかりおなじみ、私たちの隠れヒーロー。
『夢かな手帳』シリーズの担当編集者、千葉さんにです。


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>> 本記事 " 『未来日記』復刻 DIARY |[14]あれっ!? こんなところに、つながりが……。"
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2018年03月27日 UP
[ ONSA 公式 blog より転載 ]


書籍『未来日記』を印刷してくれた、印刷会社。
それは実は、『夢かな手帳』を印刷している印刷会社と、同じだった!

なんということだ!
もうこれは、奇跡的な縁。



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「千葉さん!!」

『夢かな手帳』編集者の千葉さんに、さっそく、電話をかけます。
こと細かに、今までの経緯と、事情を説明すると......。

「わかりました。読者にとってよいことですから、印刷会社も、『ダメだ』とは言わないと思います」
「担当を、紹介しますね」


印刷データさがしの、いちるの望みをかけて。
『夢かな手帳』担当編集者の千葉さんに、日経印刷株式会社の『夢かな手帳』担当者を、ご紹介いただきます。



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『夢かな手帳』印刷の、現在の担当者は、井上さん。

ちなみに、初代は、上野さん。
2代目は、遠藤さん。......その年の『夢かな手帳』が仕上がって、みんなで打ち上げをしたのが、本当に楽しい思い出です。

そうして、3代目の方がいらっしゃって、今は井上さん。
小柄で、しっかりさばさばとした、年下の女性です。


紹介していただいた、井上さんのメールアドレスに、さっそくメールをしてみます。

「印刷会社で、何年も前の書籍のデータを保管していないことは、普通の状態だと理解しています」
「ですが、うっかり何らかの理由で、......たとえば当時の担当者のメール添付等で、データが残っていることはないでしょうか」



自分で、問い合わせのメールを書いておきながら、身が縮む思いなのですが......。

考えてみれば、これまた、めんどくさい用件。
私は、めんどくさい客です。


弁護士さんの時と、同じ。
依頼されたほうは、自分にはあまり関係のないことなのに、めんどうなこと、この上ない。


そんな状況の中、井上さんが、早々に返事をくださいました。

「少しお時間をいただけますか? ちょっと調べてみます」
「もちろんです! 待ちます!」


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何度も言ってしまいますが、そもそも、何年も前のデータが残っていないことのほうが、通常フロー。
安全のため、セキュリティのためにも、データは定期的に、クリーンにしますよね。

それゆえ、心臓をドキドキしながら、待ちます。
そして、ここで「ありません」と言われれば、もう、腹をくくるしかない。

「どうやって、版を作ろうか」
「やはり、自費出版しかないか......」


そして、数日後......。
井上さんから、メール連絡がありました。

「書籍『未来日記』の印刷データについて、ご回答を申し上げます」


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>> 本記事 " 『未来日記』復刻 DIARY |[15]印刷データの有無を、おしらせします"
元記事は、ONSA 公式 blog でご覧いただけます





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