『未来日記』復刻 DIARY |[08]役に立ってほしいから、本を作る。

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全身全霊を込めて、ひとつずつの単語に命を込めて、作った本。

その本が、作って1年もたたずして、「お蔵入り」になってしまう。
その「お蔵入り」を阻止するには、通常ではありえないリスクと、犠牲を払わないといけない……。

そんな状況を、書籍『未来日記』は、迎えました。

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「……はあ。どうしようかなあ」

これが、その時の、著者のため息。

「リスクを取ったところで、誰からも必要とされなかったら、意味ないしなあ」
「どうなるか分からないものに、リスクをかけていいものか……」



当たりまえだけれど、未来という時間は、分からない。
あらかじめ分かっている答えなんて、ない。

でも、その時ばかりは、こう思いました。

「どうすればいいのか、誰か、教えて」
と。


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本が、「お蔵入り」になるかもしれない経験。
その経験は、本質的なものごとを、考えることを強いてきます。


それは多分、こんなものです。

– 本を作るって、何?
– 責任感とは、何? 
– 「したいこと」と、「できること」の線引きは、どこにあるの?

そうやって、自分自身に問いかける時間。
それはまた、電卓を何度もはじいて、リスクを熟考する時間でもありました。



そうして、幾日もが過ぎた結果……。
自社の契約倉庫に、「書籍が入庫します」と、連絡をした後。私は、『未来日記』が「お蔵入り」して眠っている倉庫に、電話をかけました。

「引き取ります。問題なく使える書籍は、トータルで何冊ありますか?」

私の出した結論は、「引き取る」でした。



「金額の計算に、間違いないですね?」
何度も確認をした、その金額。
それは、私が『未来日記』を書いたことで受け取った報酬の一部を、完全に吹き飛ばしてしまうような金額。

でも、きれいごとでも、なんでもなく。
その時私は、こんなふうに、答えを出しました。

そして、その時出した答えが、私の著者人生の中で、今でも基盤になっています。


それは、「本は、誰のもの?」ということ。

本は、「みんなのもの」。



本は、著者一人の独りよがりでもなければ、出版社が、「売るため」に嘘をついたり、盛ったりしたりしていいものでもない。
そんなことをすれば、読者はうすうす、勘づいてしまう。
そして、そんな本は、早晩買われなくなってしまう。

でも、この3者が、絶妙なバランスで存在しているゆえ、本は存在している。

それならば……。
もしこの本で、役に立てる人がいるならば、役に立ってほしい。

使ってくれた人に、笑顔が戻ってほしい。


そう願って、もともと、たくさん工夫をして、吟味して作ったのに。
役に立てる機会も奪われ、断裁されて、「亡きもの」にされるなんて。それでは、本が無念だ。


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どう考えても、赤字が積み重なってゆくだけの、電卓計算。
それを、最後の最後の時点で超えたのは、やっぱり「想い」でした。


「想い」という、たった2文字の、本当に平凡な単語。

でも、この「想い」がなかったら、そもそも、本なんて作らない。



書籍『未来日記』は、私の名前で出された、何十冊目の書籍。
でも、この経験が私に、本作りの原点を再確認させてくれました。

それは、
「本は、私にとっては、単なる自己表現ではない」
「誰かの役に立ってほしいから、私は本を作る」

という、当たりまえのことでした。
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