09 | 心理学的には、様々な名前がついて、現象の断片が知られている



心理学的には、このような名前で説明されている

あなたが経験している、この違和感。

「人生を、とりあげられた」人現象。
この違和感は今まで、いろいろな言葉・いろいろなやり方で、説明されてきました。


一例を挙げるならば、このようなキーワードです。

あなたも、これらの言葉に、「当てはまっているかも」と感じたことが、あるかもしれません。
あるいは、一部だけ当てはまると感じていて、全てはしっくりこない感じも、抱いているかもしれません。

– いわゆる「共依存」……自分が「ない」現象。他人の意見や評価が気になって仕方がない
– 「機能不全家族問題」……確かに、ちょっとユニークな家族だったかもしれない
– アダルト・チルドレン……外側の社会的な面だけ、大人になってしまったかもしれない
– 「インナーチャイルド」……傷ついた「子ども」が、自分の中にいるかもしれない
– いわゆる「嗜癖問題」「依存症」……父親に、飲酒等の問題があった
– 内心、うちの親は「毒親」気味……母はたしかに、過干渉で不安定かもしれない
– いわゆる「境界線(バウンダリー)」の問題が、あるような気がする

おそらく、どれもが、当てはまる部分も、当てはまらない部分もあるでしょう。

そして、これらのテーマに造詣の深い医師や臨床心理士なら、「人生をとりあげられた」人独特の現象や症状に、感触として、気づくことができます。しかしながら、そのテーマを主とする専門家のうち、訓練を受けて対応できる専門家は、とても少ないのが現状です。

なぜなら、専門家のほとんどは、「体験者ではない」という事実があります。
そのため、「外側からの知識」として学んで、現象を理解しているケースが大半となります。

「人生をとりあげられた」人現象の根深さも、深刻度も、体験としては、理解できていないのが現状です。

(そして、このように、深部にまで至る「傷つき体験」がないこと自体は、とても幸福なことでもあります)

「人生をとりあげられた」実体験を共有していない人たちと、傷つきの本当の深刻度を、共有できないかもしれない。

その上で、重ねて、強調すべきことがあります。

「人生をとりあげられた」人は、この社会で、いっけん普通に生きています。
その内面が、どんなに孤独で混乱していても、外見上は、とても普通に生きています。

そのため、彼ら専門家の、外側の目から見ても、「問題なし」と判断されることが多くなっています。




大まかに言えば、このようなことが起こっている/いたのだろう

「人生をとりあげられた」人現象。

この現象を説明する、科学的な根拠も、心理学的な専門用語も、判別データも存在します。

説明が長くなり、理解に時間も要しますので、専門解説が必要なことは、ONSA WORKSHOP の中でご対応しています。

その上で、ざっくりと説明してしまえば、あなたや私には、こんなことが起こっている/いたのでしょう。

[1]
対外的・社会的こと(つまり、外面から)は、なかなか、見切りづらない。
けれども、内面的・精神的に、非常に未熟で未成熟な親に、育てられた。


大人になってから、落ち着いて振り返れば、いっそうよくわかる。
親または両親が、大人として、とても未成熟な親である/だった。

[2]
いつしか、あなたのほうが、親の精神年齢を追い越してしまった。
ところが、その事実に気づく頃には、親が教え込んだ処世術で、生きはじめていた。


人生がとっくに、スタートしてしまっていた。
それゆえ、その生き方以外で、どう生きたらいいか分からない。

[3]
自分より、精神的に未熟な親には、当然、頼れない。
あなたが高校生ぐらいの年齢で、母子(親子)逆転現象が、起こっているかもしれない。


これぐらいの時点までには、あなたの精神年齢が、親の精神年齢を、追い越してしまった。
(もっと早く、追い越す場合もあります)
そこからあなたは、まるで、「親の親」役のようなものを、つとめてきたかもしれない。

[4]
精神的に未熟・未成熟な親に習った処世術(生き方)は、この現実では、通用しない。
特に、社会に出れば出るほど、見えない差を痛感する。
学校であれば、高等教育に進めば進むほど、差を痛感することになる。


とはいえ、どう生きていいか、精神的な見本がない。
だから、代わりに、表面的な演技と「がんばり」で、乗り切ってきた

[5]
ところが、がんばればがんばるほど、負のスパイラルにはまりこんでゆく。
自分の負担と我慢ばかりが、多くなってゆく。
まるで、すべてが逆回転しているかのように、なぜか、状況が悪くなってゆく。

(実際、逆回転しています)

[6]
この、逆回転のスパイラルを、どう解消していいのか、想像がつかない。

(今は、この段階にいる)


生きてゆく上で必須の、健康な価値観を、歪ませられたかもしれない

未成熟な親の価値観・人生観に振り回され、その気まぐれに、つきあっているうちに……。心の安定や、この現実への信頼感を大きく傷つけられることで、生きることが怖くなってしまった方も、いらっしゃるかもしれません。

「世間とは、怖いものだ」
「人間とは、裏があるもので、信じられないものだ」
こんなふうに、悪い呪いのように、歪んだ価値観を刷り込まれて、育ってきたかもしれません。

あるいは、未成熟な親が、暴言・暴力を行使する環境で、育った場合もあるかもしれません。
しかも、その暴力・暴言は、世間からは巧妙に、隠されていたかもしれません。

「しつけ」「お前のため」などという言葉によって、すりかえられたかもしれません。

あるいは、
「それぐらいの『やんちゃ』は、笑って許すように」
「これぐらい、大したことがないこと」
と、感情や善悪判断・ことの重大さの判断基準を、すりかえられたかもしれません。

たくさんの「すりかえ」が、起こったかもしれない。
冷静に思い出してみると、彼らの「言っていること」と「やっていること」が、大きく矛盾していたかもしれない。


あなたを、生きさせてもらえなかったかもしれない

つまり、発生しているのは、こういうことです。

未成熟な親の価値観に従うようにと、言語でも非言語でも、生き方を強要されたかもしれません。

口では、
「自由にしていい」
「あなたの生き方を尊重している」
「自分で決めなさい」
「うちは、自由主義だった」
「あなたが『そうしたい』と言ったことは、なんでもかなえた」

と言うかもしれません。

そして、あなたはすっかり、その「言葉」のほうを、信じ込んでいるかもしれません。

ところが、事実として起こっていたこととしては、あなたに選択の自由は、ほとんどなかったかもしれません。

事実として、あなたに、選択の自由は、ほどんどなかったかもしれない。

「その選択は、こういう理由でダメ」
「あなたの考えは、甘い」
「世の中は、そんなに甘くない」
「身の丈を知ることが大事」

そんな言い分を重ねられて、巧妙に選択を誘導されたかもしれません。
その上で、あたかも「あなた自身が」、自由に生き方を選択したかのように、すり替えられたかもしれません。


そのため、あなたは、
「確かに、自分でいろいろ、選んだはずなのに……」
「何かがおかしい。でも、何がおかしいのか、わからない」

こんな、言いようのない違和感に包まれているかもしれません。
何がおかしくて、いったいこうなっているのか、わからなくなっているかもしれません。


このような、何重にも霧に包まれたような方法で、
「あなた自身であることを、うばわれた」
「あなたの人生を、とりあげられた」

かもしれません。

選択の自由が少ない、「条件つきの選択」の中で、あなたは立派に、生きてきたかもしれない。
でも、無意識の誘導の選択肢に「乗ってしまった状態で」、その延長の「今」を生きていると見切れないからこそ、苦しいかもしれない。

あなたが、あなたの人生を生きることは、けっきょくのところ、許されなかったかもしれません。
こうやって、あなたの人生が、「とりあげられた」かもしれません。

つまりこれは、あなたのせいで起こっていることでは、ないかもしれません。
それゆえ、その不自由な生き方から、自由になる決断をするほうが、未来があるかもしれません。


本当の本当に、あなたのせいで、起こっていることではないかもしれない。
それなら、あなたの人生を「とりもどす」ほうが、この先の人生全体が、うまくゆくかもしれない。