[ ONSA 通信 ]の続き | 心臓の刻むリズム、呼吸のリズム[1]

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時間と命がメインテーマ、文筆業・藤沢優月です。
欧州の歴史ある街から、メッセージをお届けしています。





欧州で、もっとも古い都市群のひとつに住みはじめて、500日が過ぎました。
今はもう、どこに何があるかも覚えはじめ、最初のような戸惑いはない。


しかも、当地になじみすぎ、当初の常識観念まで、崩壊の危機にあります。

つまりですが、日本では考えられないような、「地元ルール」に則った日々を送っています。

則らざるを得ません。
そうでないと、生活が成立しない。





たとえばですが、ここでは EMS(国際スピード郵便)が、自宅まで配達されません。


Express Mail Service。それは、国際郵便の、最上位の配送方法。
法外に高いお金を支払い、各国の郵便サービスを連携させることで、いわば「特別待遇」で配送される郵便。


この郵便ですが、当地に到着するまでは、いたって順調。
画面でデータを見ていると、日本の税関を順調に通過し、羽田か成田で荷積され、飛行機でささっと運ばれます。

つまり、当地の領土に入るまでは、国際ルール適用です。
が、問題は、当地に着陸してから。

着陸したとたんに、ローカルルールが適用に。





まずは当初、大変驚いたことが、
「EMS(国際スピード郵便)なのに、わざわざ中央郵便局まで、取りに出向かなければならない」
ということ。

「自宅住所が書いてある意味とは?」
そんなこと、当地ではお構いなしです。





しかも、取りに行ったところで、すんなり受け取れるわけではない。
一度目に出向くと、だいたい、
「今は、ない」
と言われるんですね。

「えっ? あなたこの間、データがこの状態になった時に、ここに取りにきてくださいって教えてくれたじゃない。データがこの状態になったら、ここに荷物が届いた証拠だから、と」


でも、「今は、ない」のだそう。

そこから、電話です。
データ検索ではなく、電話。


しかも、到着履歴は、ノートに手書き。
定規で線が引いてあり、手書きで、「住所」「到着日」とか書いてある模様。

バーコードの意味とは?





このようなわけで、国際郵便をひとつ受け取るために、最低でも2回、中央郵便局に出向かなければなりません。
最初は、心の中で「うわー……」と感じていました。

内心、こんなことを思っていたことも、事実。
「だから、経済が発展しないんだよ」
と。


ですが、当地に住みはじめて、500日と少し。
今は、こう感じています。

「経済が発展しなくとも、よいのかもしれない」


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